2012年12月8日土曜日

164.堅田漁港から彦根・赤かぶ干場

「アカシア紀行・俳句」2012年12月5日(水)         前へ  次へ

  初冬のやや寒い好天の日、いつものメンバー5人で
滋賀県・堅田漁港から彦根の赤かぶ干し場を訪ねました。

  車では名神・栗東ICから琵琶湖大橋が時間的に最良でしたが、
今回は車で京滋バイパス石山から琵琶湖西岸を北上し、
浮御堂の北の堅田漁港に着いたのは10時半頃でした。

  漁港は一般車が入れないよう入り口に鎖が掛けられていましたが、
氷魚(子鮎)などを買うつもりもあったので、鎖を下げて漁港内に
駐車させてもらいました。
リモコンで入口の鎖が下がる仕組みです。

  漁港に入ると数十艘の漁船が船溜りに停泊しており、
空には鳶が舞い、海には百合鴎が浮き、船には鷺がとまっています。
姿は見えませんが鳰のピュルピュルという鳴き声がきこえます。

  浜では2人の男性が焚き火をしていたので、我々も当たらせてもらい、
話を聞きました。
今年は鮎の漁が少なく、放流用の稚魚を出すのが精一杯で、
釜揚げなどの食料用には殆ど回せないとのことでした。

  岸の漁船から夫婦が漁の「はす」の箱などを陸揚げしており、
なかの茶色の小魚は何ですかと聞くと、「ごり」と答えただけで、
無言で仕事を続けていました。

  しばらくかもめなどを眺めた後、漁港内の田村淡水
(琵琶湖の佃煮専門店)を訪ねました。
ご主人が留守だったので、値段のわかるものだけでしたが、
稚鮎、すご諸子の釜揚げや鮒ずしを分けてもらいました。

        近江富士望む漁港に焚火せり   常朝

        船溜り姿見えずに鳰の声     常朝

              (堅田漁港から近江富士:クリックで拡大:以後同じ)
              (田村淡水)
              (子鮎とすごもろこ)

  その後、琵琶湖大橋から栗東IC経由で、名神・彦根ICの西の
彦根ビューホテルのレストラン・ビスタで昼食をいただき、
すぐ南の松原水泳場北側にある赤かぶ干場を訪ねました。
彦根城の北1キロほどの湖岸です。

  今は東海漬物さんが利用されていますが、浜に出ると、
長さ約50メートル、高さ5メートルほどの大きな干し台(稲架)に
長い竹を水平に9段取り付けた蕪(かぶ)干し場がありました。
今日はその中の中央の干し台(長さ15メートルほど)に、
赤蕪を4~6個ずつ束にしてぎっしりと吊ってありました。

  先日電話でお聞きしたら3日午前に赤蕪を集荷し午後に浜に
干すとのことだったので、まだ3日目でしょうが、蕪の葉は風に
乾いて縮れて揺れていました。

  岸近い湖上には、ひどり鴨の群が冬の荒い波に揺られています。
岸の砂にはクルミの実が数十個打ち上げられていました。

        湖畔の宿聖樹を誰も見てをらず  常朝

        湖と思へぬ荒さ冬の波      常朝

        干し蕪に触るれば少しへこみけり 常朝

              (彦根ビューホテルから彦根城)
               (松原水泳場・ひどり鴨と彦根ビューホテル(左端))
              (赤蕪干し場)
              (赤蕪)

  だんだんと寒くなってきたので、3時頃浜を出て、帰途につきましたが、
名神・彦根ICまでの車の中から、大きな日暈の虹が太陽の左右に
見えました。

  奈良・旧ドリームランド前のココスで小句会後解散しました。
少し寒かったですが風は強すぎず、お天気に恵まれて、
初冬の近江を楽しむことができました。