2013年12月7日土曜日

185.宇治川塔の島から宇治上神社

「アカシア紀行・俳句」2013年12年5日(木)     前へ   次へ

  師走のはじめの小春日和の日、いつものメンバー5人で、
京都府宇治市の宇治川・塔の島から、宇治神社、宇治上神社を訪ねました。

  奈良から京奈和道の終点である、城陽出口から24号線を北上、

城陽平川交差点の北のセブンイレブンで集合し、大久保田原交差点から
15号線経由で宇治平等院東の駐車場に着きました。
そこからすぐの喜撰橋を渡れば、宇治川の中の島である塔の島です。
4年前に来た時と同じく、鵜の小屋があり、10羽ほどの鵜が、小屋の中のプールの
周囲に立ったり、水浴びしたりしており、我々が近づくと羽を拡げガーガー鳴いて

迎えてくれました。
じっと坐っている鵜は少なく、絶えず動いて身づくろいしたりしています。
夏には、鵜飼で活躍するのでしょうが、今は時間を持て余しているようです。

 塔の島には十三重塔や、今は葉のないしだれ桜などがあり、

下流側の橘島には、柿本人麻呂の網代木(あじろぎ)の歌碑

   もののふの八十氏河(やそうじがわ)の網代木に 

        いざよふ波の行く方(へ)しらずも

が、立っています。

 島の南側の派川(塔の川)は、上流の堰のためゆっくり流れ、屋形船が

数艘係留されており、岸に鴨もいて、ときおり鮠(はや)が白い腹をぴかりと
光らせています。
北側の川は広くて、はげしく流れ、白波も所々みえます。白鷺が向こう岸に

ゆっくり飛んでいきました。
橘島から、朱塗りの朝霧橋が北岸へ架かっています。

       鵜の小屋の日差に来る冬の蠅     常朝

       宇治川に白き腹見す冬の鮠      常朝

             (喜撰橋:クリックで拡大:以後同じ)

             (塔の島の鵜小屋の鵜)

             (宇治川の観流橋)

             (朝霧橋)

             (塔の島のノブドウ(?))


 我々はゆっくり朝霧橋を渡ってまず宇治神社を参拝しました。
このあたりには応神天皇の離宮があったとのことです。
宇治神社は、仁徳天皇の弟君で、父から指名された皇位を兄に譲るため

自殺されたという、
菟稚郎子(ウジノワキイラツコ)を祀っています。
河内から離宮にこられた時兎が案内したということです。
境内には稲藁で編んだ大きな智恵の輪があり、ぼけ防止をお祈りしつつ

くぐって参拝しました。
モチノキのような赤い実のなる大きな木がありますが、名前はわかりません。

 そのあと、さらに山手へ歩いて、宇治上神社を訪ねました。
境内には冬紅葉もあり、台に置かれた三宝の中の「願い事人形(ひとがた)」

などに紅葉が散っています。

 拝殿左の回廊下では、改装工事業者の人が、槌で土を叩いていました。
世界遺産なので、漆喰で固めるなどはできないのでしょう。
拝殿の前にはきれいな円錐形の清め砂が二つ積まれており、

正面に美しい几帳が掛けられています。 本殿には、お酒が供えられ、
右の台上にはガラスの兎が供えられています。

 拝殿の右の井戸屋の中に湧き水「桐原水」があります。
宇治七名水の現存する唯一の泉だそうです。
周囲は岩で囲まれていますが、左の岩から水が湧き出て流れる波が見えました。

       智恵の輪を潜りて浴びし楢落葉    常朝

       宮普請の土叩く音冬紅葉       常朝

             (宇治神社の智恵の輪)
             (宇治上神社)
             (修復工事中の拝殿)



 その後、歩いて5分くらいの源氏物語ミュージアムを訪ね、平安時代の牛車、
鏡箱、ゆずるつき(研ぎ汁壺)、六条の館の模型などを、見た後映画「橋姫」を見ました。
宇治は宇治十帖の舞台なので、建物や展示は、源氏物語にふさわしく王朝時代を
思わせるものでした。

             (源氏物語ミュージアム)

             (牛車)
 その後、南の塔川に戻り、喜撰茶屋で遅い昼食をいただいたあと、
駐車場の南の宇治茶の日の出園で小句会を楽しみ、解散しました。
師走にしては、お天気に恵まれた小春の1日でした。