2014年7月20日日曜日

196.奈良・宇陀市高井宿千本杉、沈下橋から深野

「アカシア紀行・俳句」2014年7月18日(金)     前へ   次へ

 梅雨晴れの金曜日、いつものメンバー6人で、
宇陀市榛原の南にある旧伊勢街道・高井宿の千本杉などを訪ねました。

 奈良方面からは車で国道165号線を東へ、榛原から369号線を南数キロで、
高井交差点があり、その先の角を左折して登ると、旧伊勢街道の
高井宿・千本杉があります。
   (6年前秋にも訪ねましたがそのメモは アカシア紀行74 です)


 狭い街道沿いに、周囲22メートルもの杉の巨木が根元から18本もの幹を
分岐させており、根元に小さな鳥居もあり神杉として祀られています。

そのそばに幅1メートルほどの泉が落ち葉よけでしょうか、立てかけた金網枠で
蓋をされて、湧き水を湛えています。

 金網枠をはずして、そばの長柄杓で水を掬って飲むと、冷たくて、やや
甘い味がしました。

 根元には苔がぎっしり敷いて、小さな雨蛙がいました。
また、太さ3センチほどの大きな山ナメクジもいました。
杉の木の下で休んでいると、時折涼しい風がありました。
伊勢本道の幅は狭く土手には野萱草や姫女苑が咲いていました。

 近くの古民家、津森家、松本家などは人が住んでおられるようなので、
庭などを拝見したあと、昼までは時間があったので宇陀川の沈下橋を
訪ねることにしました。


       大杉に身を寄せをれば風涼し   常朝

       野萱草伊勢本道の土手高し    常朝

              (千本杉の根元:クリックで拡大:以後同じ)
           
              (千本杉)
              (泉)
              (説明板)
              (津越家)
              (松本家)

 165号線の三本松から東3キロくらいで右手に国道をそれて、
宇陀川沿いに1キロほど行くと、安部田の沈下橋があります。
近鉄赤目口駅の直線で西1キロの場所です。

 カラムシと藪枯らしの茂る坂を下りると、幅1.5、高さ1メートルほどの
コンクリートの橋があり、下にはウグイの子が泳いでいます。
対岸にはヒオウギ(射干)が咲き、橋上に伸びた竹に竹の花がありました。


       射干の岸辺に咲けり沈下橋    常朝

       沈下橋通れば触るる竹の花    常朝

              (沈下橋)
           
             (宇陀川)
              (三太夫の門)

 その後、165号線沿いの三太夫で昼食をいただきました。
和風レストラン三太夫の建物は、伊賀忍者百地三太夫の家を
移築したそうで、広さ30坪、天井高5間もありそうな大きな部屋には
柱がありません。庭には大鯉の池、水車、滝などがあり、
ひととき、暑さを忘れました。

 1時半頃、三本松から山道に入り、深野の神明神社を訪ねました。
ここは3年前の早春訪ねたときは、林野庁の人が来るとかで、
村の人々が占地のため松苗を境内に並べたりしていましたが、
今回は誰もおらず、周囲の棚田に青田風が吹いて、鳥と蝉の声だけでした。
棚田に向いた神社の丘には紫陽花が咲いていました。
まだ紫の右手の田からツグミらしい鳥が蛙を咥えて飛び立ち、
電線で数分かけて飲み込みました。
神社前の掲示板には年中行事の表があり、
8月中に風の祈祷をするように、などとありました。
   (3年前のメモは アカシア紀行118 です)

       山中の棚田に遅き七変化     常朝

       風祈祷せよとの掲示夏の杜    常朝

              (神明神社)
              (深野の景色)

しばらく境内や棚田の道を散策して、165号線に戻り、
桜井・阿部の天平庵で小句会後解散しました。

 下界は梅雨晴れ間のむし暑い日でしたが、伊勢街道、宇陀川、深野と
宇陀の山や川の涼風に恵まれた一日でした。 

2014年7月8日火曜日

195.奈良・信貴山のどか村から竜田大社 風鎮祭

「アカシア紀行・俳句」2014年7月6日(日)     前へ   次へ

 朝少し青空も見えた梅雨曇りの日曜日、いつものメンバー6人で、
奈良県生駒郡三郷町の信貴山のどか村から王寺町の竜田大社を訪ねました。

 奈良方面からは車で国道25号線を西に竜田大橋を渡って左折し、
本町1丁目で右折して、宮前橋東を右折、約600メートルで竜田大社です。
我々は9時過ぎ竜田大社駐車場に集合しました。

 今日は竜田大社の風鎮大祭ですが、インターネット情報では午前中は
神事のみとのことで、朝は信貴山のどか村を訪ねることにしました。
信貴山のどか村は信貴山「朝護孫寺」のすぐ南にある、
民営の広大な農業公園です。

 9時半頃駐車場に着き入場券500円を払ってのどか村に入ると、
広い丘に花壇、芝生広場などが見えますが、
我々はまず左手(西側)の体験農場に行きました。

              (のどか村案内図:クリックで拡大:以後同じ)        
            (七夕竹)
              (のどか村の花畑)
途中の花菖蒲の葉に空蝉があったので、取ろうとすると
すぐ近くの葉から蝉が飛び立ちました。
朝生まれたばかりの蝉のようです。
道の左手には合歓の花、右には桜青葉の涼しいトンネルがあり、
通ってトウモロコシの畑に入ると、年配の男性が一人、机を置いて、
直売を始めていました。

 まず客が数十畝もある背高いトウモロコシの畑に入り、
自分の好きな実をとって、畑の外の販売机に持参し、1個150円で買います。
我々の他にも家族連れが2、3組来て、小さい女の子が畑の中から
トウモロコシを抱えて出てきました。

 1個の4分の一位を試食させてくれましたが、生でも柔らかく、
甘みがあり、何よりみずみずしい味でした。
我々も数個ずつ買ってから、南側の土手を登って鶏の庭に行きました。

 最初の鶏のネットは烏骨鶏(うこっけい)でした。
コケコッコーと鳴くと、どこかでホトトギスが鳴きました。
鶏を放し飼いしているネット(10X20メートル位)の中に、籠を持って、
鶏が外に出ないように気をつけて戸を開けて入り、卵を採りました。

 産卵小屋(長さ2~3M)が数個あり、数羽ずつが入って卵を産んでいます。
箱の下の受け棚に落ちる産みたての卵を籠に採り、出口で精算しました。
鶏はボリスブラウンという種で、茶色の卵ですが1個50円でした。

 その後、園内のソフトクリーム店でソフトクリームをいただき、
やぎひつじ牧場を少し見てから売店を覗き、のどか村を出ました。

       温みまだ残りゐるかに蝉の殻     常朝

       とうもろこし触るれば花の散りにけり 常朝

              (トウモロコシ畑)
              (鶏園)
              (産卵小屋)
              (やぎひつじ牧場)

 信貴山観光ホテルへの途中、吊り橋を見ました。
池では3、4人の若者がブラックバス釣りをしていました。

              (吊り橋)

 信貴山観光ホテルの「おはし」で昼食をいただき、山を下りて
午後1時前再び竜田大社を訪ねました。

 1時から神楽舞、2時から居合剣舞とのことで、拝殿に行きました。
神楽舞は数人の巫女が雅楽で舞うのかと思っていたら、
二人の巫女と、少女の巫女が一人、お祓いを受ける人々を拝殿に上がらせて、
一人の巫女が剣を持って、数分間太鼓と笛に合わせて舞い、
そのあと、一人ひとり、お祓いをし、お供物を渡していきました。

 10数分毎に、これを繰り返しているだけだし、剣舞までまだ時間があったし、
雨もぽつりぽつり降ってきたので、近くの神奈備神社を訪ねました。
風鎮大祭の最大のイベントは夜の花火ですが、句会の都合もあり、
今回は花火など夕方以降のプログラムは参加しませんでした。


       巫女の舞終れば来たる白雨かな  常朝

              (朝の竜田大社)
              (風鎮祭の奉納行事)
              (巫女の舞)
              (屋台)

 神奈備神社には、鎌足の妻、額田王の姉と言われる鏡王女の万葉歌碑などが
あるらしいですが、境内に石段が30段ほどあり、駐車場もないようだったので、
ここもあきらめて王子駅南の川沿いの「さと」で小句会後解散しました。

 「さと」に入った頃から雨が降り出しましたが、
雨に強いという風鎮祭のおかげか、我々はさほど降られず信貴山や竜田の
涼しい青葉を楽しむことができました。