2015年4月25日土曜日

211.伊賀森林公園、上野城から正月堂

「アカシア紀行・俳句」2015年4月22日(水)    前へ  次へ

 穀雨の低気圧が去り、久しぶりの春らしい爽やかな快晴の日、
いつものメンバー5人で、伊賀上野の森林公園、上野城から島ヶ原の
正月堂を訪ねました。 

 9時すぎ名阪国道の針テラスで集合して、まず上野森林公園を訪ねました。

 上野森林公園は上野インターチェンジの東にある、広大な公園で、
野外活動や散策の場となっているようです。
我々が駐車した展示館の下の駐車場には、他に車がなく、
時々ランニングの人や、散策の夫婦づれが花壇などを見にくる程度でした。
(駐車場へは、上野東より友生インターチェンジからの方が近かったです)

 展示館はビジターコテージというそうですが、中には野鳥や植物のパネル、
標本などの展示室と工作などの研修室がありますが、無人でした。

北西側には大きな池がありますが立入禁止となっており、
北東の低地には湿生園とその下の池があります。
桜は大方散っており、クヌギなどの若葉が綺麗でしたが、土手の土筆はやせており、
やや人工的な庭園で作句はややむずかしい感じでした。

       湿生園草低くして春の水       常朝

       公園の土手の土筆の痩せゐたる    常朝

             (展示館:クリックで拡大:以後同じ)       
              (花壇)
              (湿生園)

 その後上野城を訪ね、芭蕉記念館の南の駐車場に500円を収めて駐車しました。
城の坂道の木々には花見の提灯がまだ掛っていました。
坂の上には白い天守閣が青空に映え、樫の花穂が垂れていました。

 左側の濠には蝶が飛び、藤堂高虎公の設計でしょうか、美しい石垣の隙間には
イタドリ(虎杖)が生えていました。

 しばらく場内を散策後12時前、西大手の田楽座「わかや」で
木の芽田楽をいただきました。木の芽らしいものは田楽の豆腐に見えなかった
ですが、串に焼いた豆腐はおいしかったです。


       木の色の蝶の越えたる城の濠     常朝

       田楽食ふガラスの窓に木の緑     常朝

             (上野城)       
             (濠と城壁)
              (田楽座の調理室)

 食後、163号線を西へ約10キロの島ヶ原にある「正月堂」を訪ね参拝しました。 

 正月堂は観菩提寺ともいい、奈良時代二月堂を建てた実忠和尚が
創建したという古いお寺です。

 境内の本堂の裏手には石仏の道があり、その右手の宝庫の脇に
波波迦(ははか)の木が白い房の花を咲かせています。
波波迦はウワミズザクラともいい、古事記では天香具山神社のこの木と
雄鹿の肩の骨で占いをしたとのこと。

 境内には龍のような顔の石亀の上に載せた大きな水瓶が
天辺から水を落としていました。
また本堂右手の山に大きな松がそびえて緑が際立っていました。


       宝庫の壁少し崩れて波波迦咲く    常朝

       正月堂大樹の松の緑映ゆ       常朝

             (正月堂)
              (山門)
              (波波迦の花:ウワミズザクラ)
              (説明板)
              (福岡醤油店の「はさめず」)

 その後お寺の東の福岡醤油店で「はさめず」醤油などを買い、
名阪国道・針テラスのメルカート・ロッソで小句会後解散しました。

2015年4月13日月曜日

210.奈良・下市町才谷の稲荷桜から吉野山

「アカシア紀行・俳句」2015年4月11日(土)    前へ   次へ

 数日続いた花の雨が止んだ土曜日、いつものメンバー5人で、
奈良県下市町才谷(さいたに)から吉野山蔵王堂の花会式を訪ねました。
                 (参照:アカシア紀行60:宮滝から蔵王堂

 橿原観光ホテルでで9時半集合し、169号線を南下、下市町の才谷から
吉野山へ登る途中でさらに山道を南へ登り稲荷桜を訪ねました。

 稲荷桜は、数年前NHKで放映されたという樹齢350年の山桜です。
高さ10メートル、幅15メートル位の山桜でちょうど満開でした。
木の下に小さな稲荷神社があり、怖い顔の狛狐が社を守っていました。
しばらく周囲の景色などをみていたら、見たことのあるようなご老人が
坂道を登ってこられ、よく来てくれたといわれました。
話しているうちに従兄弟の妻の父上であることがわかり、
お互いびっくりしました、

 稲荷桜の下の小学校の廃校の庭にある数本の桜のうち、
2本も父上が若いころ植えられたそうです。
稲荷桜には肥料もあげているが老化で南側の太枝は切らざるを
得なかったようです。

 土手のキランソウを見たり、野萱草の若芽を摘んだりしたあと、
廃校の上の道を散策、あけびの花など見てから吉野山へ走りました。

       鳶鳴く山の頂山桜          常朝

       廃校に鐘の残りて通草咲く      常朝

             (稲荷桜:クリックで拡大:以後同じ)
             (稲荷社:下市町才谷)
              (才谷の山の家)
              (通草の花)

 吉野山の勝手神社の下の大日寺の駐車場は満車だったので、
山道に駐車しました。
 
 昼前だったので、近くの食堂「静亭」で昼食をいただきました。
たまたま室内は満席で、テラスの席でしたが、テラスからは
中の千本の殆ど全部を見ることができました。
満開の時期を少し過ぎていたようですが、近くの山桜は
最高にきれいでした。

 その後、蔵王堂へ歩きました。
吉野山の狭い道に人が多くて、まるで銀座や心斎橋を歩いているようでした。
どこの国かわからない外国語も聞こえました。
蔵王堂では、花供会式の法要が終わって護摩を焚いていました。

 大きな護摩壇が組まれ、左右に30人位の行者が錫杖を振り鳴らしながら
般若心経などを唱えていました。
護摩の炎は6~7メートルも上がり、煙の中に桜の花びらが
散っては吹き上げられて、いかにも花供養の儀式でした。

 花供会式は吉野全山の桜を蔵王権現にお供えする法要とのことです。
仏へのお供えなので、昔から吉野の桜が守られてきたのでしょう。
桜寄進を募るチラシも配布されていました。

 護摩法要が終わったあと、境内で御供撒きがあり、赤鬼青鬼も交えて、
舞台からかなりのお餅が撒かれて、数個ずつ拾うことができました。
蔵王堂の傘立てに落ちていた餅や上着の襟に入っていた餅も
ありました。

 私は近くの脳天さんへお参りにと石段を数百段降りましたが、
足が痛くなってあと百段位であきらめ遥拝しました。
途中に大きな役行者像がありました。
 
       山桜山のけむりのたゆたひて      常朝

       花びらの心のごとくゆれてゆく      常朝

       落椿供へてありし行者像         常朝

             (吉野山:中千本の桜)
             (花供会式の護摩の炎)
              (花供会式の護摩)
              (御供撒きの舞台)
              (蔵王堂)

 今回は蔵王堂本堂の中に入らず、車で如意輪寺の上の道路をゆっくり通って、
吉野駅の北側に降り、橿原観光ホテルで小句会後解散しました。

ホテルを出た5時頃は青空が見えていました。