2016年12月23日金曜日

245. 八幡市・円福寺から宇治田原の柿屋

「アカシア紀行・俳句」2016年12月22日(木)    前へ   次へ

  師走にしては暖かく、午後雨予報の木曜日、いつものメンバーの都合のつく3人で
八幡市・円福寺から宇治田原の柿家を訪ねました。

 円福寺は江戸時代建立の禅寺ですが、先日テレビで放映されたイチョウの木の
干し大根を見るのが目的です。
昼12時車で奈良を出て、木津川沿いに24号線を北上、山城大橋から307号線を
西へ約13キロ、池の宮北から1号線を5キロ北上、洞ヶ峠手前左が円福寺です。
1号線の洞ヶ峠茶屋からすぐ入れるのに行き過ぎたため、西側水月寺の南から森の中を
通って山門前の駐車場についたら、1時半すぎでした。

 駐車場からすぐ大きなイチョウの木が見えて、大根が数え切れないほども
沢山ぶら下がっている異様な風景がみえます。

 その近くへ行こうと、境内の段差のある庭をゆっくり歩いていたら、
作務衣の若い僧が一人、出てきて仲間の弱足の人の介添をしてくれました。
禅の修行をしている人はさすがと感心しました。

 彼にイチョウの干し大根の由来を聞くと、先代の住職も知らないので、
今はその由来を知る人はいないとのこと。
大根は近所の農家から寄進される約2000本を、いつの頃からか、
イチョウの木に掛けて干し大根にし、沢庵漬けにして僧達の食事に出すそうです。
今年は暑さのため、1000本位に減ったそうです。

それでもイチョウの木にほぼ一杯にぶら下がって、まだ横のキササゲの木の枝に
50本位下げられていました。

 禅宗の祖である達磨大師の像が重要文化財ですが、
修行の寺のため、一般の人は入山禁止で、我々は拝見できませんでした。

 立派な山門には仁王が立っています。
山門左の門から見ると中では若い僧たちが大根の漬物桶の作業中でした。
左手の道には、枇杷の花が咲いて、その奥には合同墓地があり、
そばで、建築中の木造のお堂のようなものを見たので工事中の人に聞くと、
お堂(東司:トイレ?)の試作品を作っているとのこと。

 冬紅葉と小鳥の声の参道をしばらく散策し、達磨大師供養のお金を
若い僧に預けて、お寺を辞しました。


       大銀杏に干大根の尻ばかり      常朝

       若僧の作務衣凛々しく大根漬け    常朝

        (円福寺入り口:クリックで拡大、以下同じ)       
    (円福寺説明板)
    (大銀杏干し大根)
    (円福寺山門)
    (円福寺通用門)
    (試作品のお堂)

 午後2時20分ころ、1号線を北上、八幡一の坪交差点から251号線を東へ走り、
大住工業団地北から京都奈良線22号線を約6キロ南下、
307号線の山城大橋を通って東へ約7キロ宇治田原の南地区の柿屋を訪ねました。
田原小学校前を南下、魚定本店角を左折、和束道を少し南下し、
南地区の宗畑の柿屋のある農家(森田様)に着いたら3時20分頃でした。

 古老柿農家の作業小屋では家族の皆さんが迎えてくれ、お茶をいただきました。
今年は暑さのため、全体的に柿(古老柿用の坊主柿)の生産は悪く、
早く熟しすぎたり、多すぎて小粒になったりしたのですが、こちらの柿は
比較的よくて平年並みだったようです。
柿屋にはもう柿が載っていませんが、田の隅の箱に少し熟した柿が数個置いてあり、
なぜか田の土に白菜の葉がちらばっていました。
丹精の古老柿を1キロずつ買い、4時頃柿屋を出て奈良へ帰りました。


       柿農家にいただきし茶のあたたかし  常朝

       柿屋まだ残れる畦に残り柿      常朝

        (柿屋)       
    (古老柿農家作業所)

 午後雨の予報がはずれたおかげで、雨に会わずに干し大根を見られた上、
古老柿の柿屋など初冬の景色を味わうことができました。
帰りの24号線の途中から予報通り雨が降りだしました。