2008年2月4日月曜日

48.奈良・おん祭の還幸の儀

「アカシア紀行・俳句」2007年12月17日(月)


 師走の寒い夜、懐中電灯を持って、妻、妻の友人、義兄姉らと奈良・おん祭の
還幸の儀に参列しました。
おん祭は春日大社の摂社である若宮のお祭で、平安時代関白藤原忠道公が
疫病退散などを祈願して始めて以来870年以上続く、奈良の代表的な祭です。
おもな行事は12月15日午後の大宿所詣(おおしゅくしょもうで)から、
18日午後の後宴能(ごえんののう)までですが、クライマックスが例年17日の
神様の行列です。
この日は未明から深夜までの24時間、若宮が神殿から出られて、各時代の行列や
お旅所での奉納のさまざまな芸能を楽しまれて帰られるまで祀ります。
お旅所での芸能は、おん祭の行列が終った夕方4時から夜12時直前まで、
神楽、田楽、猿楽、舞楽、舞などが次々と奉納されますが、すべてを拝見した
ことはありません。
今回は、夜10時半頃お旅所で集合して、舞楽などを拝見後、神様が神殿に
帰られる還幸(かんこう)の儀に参列しました。
お旅所は縄で囲まれた約30メートル四方くらいの広場で、春日大社参道の
一の鳥居から東へ数十メートル入ったところの左側にあります。
そこに約9メートル四方の舞台がしつらえられて、舞楽などが奉納されます。
夜11時半ころ最後の舞が終ると、ただちに大勢の神官がお供え物などを
下げたあと、神様を大勢で囲んでお旅所から参道へお連れしました。
そのとき、神官達がなんとも言えない「ウオーウオー」といった声をだします。
松明さえ消して真っ暗な参道を、神様が大勢に囲まれて去っていきました。
大勢の人達が神様の後を追うように、砂利音だけの参道を神社に向かって
歩き始めましたが、我々はそこでお見送りしました。
参道の竹垣には夜露が降りており、空を見上げるとオリオン座など冬の星座が
輝いていました。



        神還る声おうおうと星冴えて     常朝

        竹垣に夜露ありたるおん祭      常朝

       
       (奈良・おん祭行列1:これは2003年撮影しました)

       (奈良・おん祭行列2:これは2003年撮影しました)

       (奈良・おん祭のお旅所)
    

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