2008年10月6日月曜日

71. 奈良春日大社・神苑(万葉植物園) 

「アカシア紀行・俳句」2008年10月2日(木)

 久しぶりの秋晴の日、妻、妻の友人、義兄姉らと6人で奈良・春日大社の神苑:
万葉植物園を拝観しました。

 万葉植物園は春日大社の西300メートルほどの杜の中にありますが、
我々は、鳥居のある参道からでなく、奈良国立博物館の東の大仏殿交差点から
東南の杜の中の参道を歩きました。
途中、秋の七草を詠んだ山上憶良の歌碑があり、かわいい小鹿が我々に寄って
きたり、親の乳を求めて走ったりしていました。

 ゆっくり歩いて神苑に着いたのは午後1時半ころ、拝観料525円で入場券と
神苑マップをもらいました。
万葉植物園は昭和7年に歌人佐々木信綱氏らの協力で開設され、約300種の
万葉植物が植栽されているとのこと。
正門左側には茶粥などで知られる大社直営の荷茶屋(にないちゃや)があります。
正門を入って左の道を行くと、赤米、黒米が小さな田に実って、網がかけられて
いました。
さらに東へ進むと大きな池があり、毎年5月5日と11月3日に雅楽と舞が奉納
される浮舞台があります。
途中、なつめ(棗)の木や山梨の木、栴檀(せんだん・おうち・楝・樗)の木
などがあり実をつけていました。

奥には歌泉堂という小さな八角堂があり、柿本人麻呂を祀っています。
そばの小さな川にはきれいな秋水が流れ、虫の声が聞こえました。
その後、南側の道を西へ戻り、種々の万葉植物の植栽を見ました。
あかね、思い草(南蛮きせる)、やまあい、山菅(やますげ)、あずさ、きささげ、
おけら、むらさきなどがありました。
おうち(樗)の木には池の波が反射してきらきらゆれていました。
波の反射が暗いところにうつるのを水蜉蝣(みずかげろう)というそうです。
3時すぎ神苑を出て、駐車した春日野町の黒川本家で葛切りをいただき解散しました。

         七草の歌碑読みおれば鹿の声     常朝     
          
         山梨の甘み確かめすぐ捨てし     常朝

         池波のゆらめき映ゆる樗の実     常朝   

        (浮舞台)

        (思い草)

        (思い草の万葉歌)

        (山梨の実)

  (写真はすべてクリックすると拡大します)

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