「アカシア紀行・俳句」2008年10月8日(水)
晴れた夜空に半月の明るい日、妻、義兄姉らと6人で奈良豆比古神社
(ならつひこじんじゃ)の翁舞(おきなまい)を見学しました。
翁舞は能楽の原型といわれる室町の頃からの猿楽の舞だそうで、
平成12年重要無形民俗文化財に指定されています。
毎年10月8日、秋祭りの宵宮に奉納されるそうです。
奈良豆比古神社は奈良市の北、奈良坂の峠にある奈良時代からの古い神社
で、祭神として志貴皇子(平城津比古神、春日宮天皇(田原天皇))と、
春日王(志貴皇子の第二王子)を祀っています。
境内には樹齢1000年以上、幹回り13メートルもの楠の巨木が立っています。
バスでは近鉄奈良駅から青山住宅行き路線の奈良坂ですが、我々は車で、
近くの瓦製作会社の瓦道の駐車場に駐車させてもらいました。
午後7時頃神社に着くとすでに100人以上の人が境内の拝殿(舞殿)に
集まっていました。
本殿はさほど大きくありませんが、拝殿との間に二つのかがり火が燃えています。
まず翁舞保存会の会長の挨拶のあと8時、神主が衣装部屋と拝殿をつなぐ
渡り床を通って、拝殿にあらわれ、本殿に向かって祝詞をあげました。
その後順に、笛奏者、小鼓の人2人、太鼓、地頭、地謡3人、脇、千歳、
太夫の順に、本殿に一礼後、拝殿の周囲に座りました。
太夫がこの舞の主人公のようです。
全員着座後、笛と鼓が鳴り出して、翁舞が始まりました。
最初は、太夫と地謡による前謡で、「とうとうたらりたらたら」と
わけのわからない歌詞ではじまり、続いて烏帽子・袴姿の若い高校生位の
男子による千歳(せんざい)の舞があり、次に、翁面をつけた太夫の舞、
脇2人と3人の舞、太夫と千歳の問答、三番叟(3人の翁の舞)とつづいて、
活発な後舞いで夜9時前終りました。
囃子言葉も「おう」とか「うー」とかで、いかにも室町時代に戻ったような
素朴ながら格式の感じられる舞でした。
拝殿の上には大楠の黒い影があり、半月がすべてを照らしていました。
舞殿を月も照らして翁舞 常朝
翁舞鼓止まれば虫の声 常朝
月照らす楠の大樹や翁舞 常朝
(奈良豆比古神社の拝殿・写真はすべてクリックで拡大)
(楠の巨樹)
(翁舞)
(翁舞の奉額写真)
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