「アカシア紀行・俳句」2010年1月15日(金)
小正月のやや寒いながら好天の日、いつものメンバーで
三輪大社の「大とんど」に行きました。
毎年この日に松飾りの注連縄やお札を、氏子などが持ち寄り、
大きな焚火(とんど)で燃やす行事(左義長とも)です。
8時から始まるというので、車で30分前に駐車場につき、
参道奥の御手洗所で手を洗いました。
柄杓の柄は氷でざらついていました。
本殿にお参りしたあと、左側の祈祷殿前にいきました。
すでに6、7人の氏子らしい人が白い法被(?)を着て
「とんど」の準備中で、参拝者も数人待っていました。
8時前、本殿の方から、榊でお祓いする神官のあとに、
2メートルほどの大きな松明を持った神官がゆっくりと
「とんど」の前にきて、四方をお祓いしたあと、
恵方から松明でとんどに火をつけました。
「とんど」の周囲には4本の斉竹(いみだけ)が立てられ、
上部に垂(しで)のある縄が張られ、さらに上には大きな金網の
天蓋のような傘が取り付けられています。
火の粉や燃えさしが飛び散らないようにとのことでしょう。
とんどの火を囲んでいると氏子の2、3人が細竹の先に針金をつけ
その下にお餅を4個くらいつけて餅焼きを始めました。
そばに福餅拝受所がるので、そこで受けた福餅を焼いているようです。
家から餅や金網を持参の人もいました。
御手洗の杓の柄氷にざらつけり 常朝
(三輪大社祈祷殿:写真はすべてクリックで拡大)
(三輪大社のどんど)
三輪大社を辞し、大鳥居の前の道を南へ100メートルほど走り、
飛鳥川の土手を東へ300メートルほどにある素麺(そうめん)の寒干しを
見学しました。背丈以上の素麺干し台が10台ほど土手に置かれて
白いカーテンのような素麺が風に少し揺れています。
素めん工場の玉井さんのご主人から素麺作りの歴史などを
うかがいました。天日干しは手間がかかるので、
今はほとんどが機械乾燥だそうです。
ここでも1、2時間干すとあとは扇風機のある室内で
乾燥させるとのことで、見ているあいだに奥様と二人で
干し台を工場の中に移動されました。
素麺(そうめん)を干す風かすか初瀬川 常朝
(素麺の寒干し)
その後五條市栄山寺近くのレストラン「吉野川」で昼食後、
JR北宇智駅の西の藤岡家住宅を見学しました。
2年前訪ねたときはは復興工事中でしたが、今は完成して一般公開されています。
入場券を300円でいただくと、ボランティアらしい人が案内と説明を
してくれました。
部屋がたくさんあり、置かれている家具や書画、句軸、色紙などを、
巡って拝見しました。
藤岡家6代目の長和(ながかず)氏は内務省勤務で、熊本、和歌山などの
県知事を歴任、のちに藤岡玉骨(ぎょっこつ)の俳号で活躍しました。
阿波野青畝とも親しく多くの句軸色紙が展示されています。
その兄弟の写真や明治の礼服も拝見しました。
28畳の大広間や、控室のある12畳位の立派な客室2つもあり、
句会などの会場に有料公開しているとのことです。
玉骨氏が退官後昭和20年から41年まで使った2階の書斎も拝見しました。
見晴らしがよく庭の長兵衛梅や雪の金剛山も見えます。
和室の喫茶室で地元産のいなか羊羹とコーヒーなどをいただき解散しました。
俳人の書斎に雪の金剛山 常朝
(藤岡家住宅)
(玉骨氏の書斎机)
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