2010年2月8日月曜日

98.柳生・円成寺から月ヶ瀬の探梅

「アカシア紀行・俳句」2010年1月29日(金)


 睦月終りのやや寒いながら好天の日、いつものメンバーで
月ヶ瀬に探梅に行きました。
途中柳生の円成寺に立ち寄り、池の周囲を散策しました。
道路に面した入口に勧請縄が掛けられていました。
池には一羽の鴨が泳いだり身づくろいして水輪を立てています。
冬萌えの池の奥には小さな下馬の石がありました。

        冬萌えの寺に小さき下馬の石   常朝

       (円成寺勧請縄:写真はすべてクリックで拡大)


 その後、月ヶ瀬までの道の途中、茶畑の中に炭焼き窯があるので、
そばに車を留め、見せてもらいました。
あいにく窯の持ち主は不在だったので、話を聞くことが
できませんでしたが、以前訪ねたときは、謡を子供達に教えて
おられ、すべて持ち山の木から炭を焼いているとのことでした。
炭窯は冷やしている途中らしくまだ温もりがあり、
窯のうしろ側には蟻地獄がいくつもありました。


        炭窯に触れて温みを確かめる   常朝

       (炭窯:写真はすべてクリックで拡大)



 月ヶ瀬は江戸の昔から有名な梅の名所で、多くの文人たちも
訪ねたようです。
我々はまず南側から湖畔を通って月ヶ瀬橋を渡って山頂付近の
真福寺に行きました。
平安時代に建てられ、木造地蔵菩薩を安置しています。
月ヶ瀬の山道を登り、もう少しでお寺というところで
道の工事中で逆戻りさせられ、迷ったあげく茶作りや
奈良晒しを教えるロマントピアの構内の道をぐるぐる登って
やっとお寺につきました。
その駐車場で初めて月ヶ瀬の咲いた紅梅を見つけました。
いつもこの梅は早いそうです。
境内には、烏梅(うばい)の製法を伝えたという女官姫若の
梅がありました。
以前お話を聞いた寺近くの中西喜祥のお家を訪ねましたが、
ご高齢のため烏梅作りはやめられているとのことで
会えませんでした。
寺では作務衣の住職がひとり庭の世話をしたり赤蕪を洗ったり
しておられ、つぼみの「花橘」の名を教えていただきました。
庭には種々の木が植えられていますが、もみ殻の中から
福寿草が一花咲いていました。

        湖を見下ろす寺に福寿草   常朝

       (月ヶ瀬真福寺の梅:写真はすべてクリックで拡大)

       (真福寺の梅若の梅)

       (月ヶ瀬)


 お寺を辞してロマントピアから山上東500メートルほどの
尾山代遺跡を訪ねました。
ここは奈良時代の杣人(そまびと)の住居跡とのことで、
復元の杣住居と鍛冶小屋があり、紅梅にひとつだけ花が
咲いていました。

        梅咲くと声の聞こえて杣遺跡   常朝

       (尾山代遺跡)



 その後、東1キロほどの月ヶ瀬温泉で昼食後、
さらに東1.5キロほどの八幡神社を訪ねました。
そこには月ヶ瀬温泉の案内板にあったように、茅葺舞台がありました。
今は使われていないようでした。
参道の石段右のモミの木のような高い木は「広葉杉」との
ことです。境内隅には珍しい「日待ち講」の碑と庚申塚
があります。そばに阿弥陀寺があり弘法大師の石像が
立っていました。その後奈良のレストラン菊水でお茶を
いただき5時すぎ解散しました。


        鎮守社に茅葺舞台日脚伸ぶ    常朝

       (八幡神社の舞台)

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