「アカシア紀行・俳句」2013年9年20日(金) 前へ 次へ
中秋の十六夜の日、いつものメンバー6人で、奈良県・明日香村の
葛(くず)神社、気都和既(きつわき)神社から、斑鳩の上宮(かみや)
遺跡公園でお月見茶会を楽しみました。
葛神社は明日香村・石舞台の東の阪田地区の棚田の上にある神社です。
我々は飛鳥夢販売所で2時頃集合し、阪田地区へ行きました。
右折の交差点を間違えて集落の中に入ったため、車幅一杯の道を
訪ねながら、葛神社に着きました。
葛神社は飛鳥の大きな棚田の上の方にあり、この地区の産土神のようですが、
由緒書きなどはありません。
見晴らしの良い広い坂道から狭い参道を下りると、木々の中に、
神社が見えました。
参道の土手には、彼岸花、ツルボ、イヌコウジュ、などが咲き、
コオロギや草雲雀が鳴いています。
拝殿は割拝殿で、真中に土間があり、土間に地炉が掘ってあり、
炭が残っていました。拝殿は掃除が行き届いており、壁には雨乞い踊りや
青龍の奉額、九頭龍と書いた額が掛けられていますが、
本殿の障子は所々破れていました。
葛神社あたりからは、飛鳥の棚田がよく見え、畦には電柵に仕切られたり、
逆に電柵を隠したりして彼岸花が咲いていました。
拝殿の地炉に秋の蚊低く飛ぶ 常朝
産土の参道狭し彼岸花 常朝
(葛神社:クリックで拡大:以後同じ)
(葛神社本殿)
(棚田と彼岸花)
(ツルボ?)
(イヌコウジュ?)
石舞台の東を流れる細川に沿う道(飛鳥-多武峰線)に戻り、
2キロほど東の気都和既(きつわき)神社を訪ねました。
気都和既神社は、明日香「上(かむろ)」地区の産土神社で、
3つの谷川の合流点にあります。
「もうこの森」とも言われるそうですが、
大化の改新の折、鎌足が蘇我の入鹿の首をはねたあと、
その首に追いかけられてこの杜に逃げた時、「もうこない」と
安心したので「もうこの森」といわれたそうです。
長い古い拝殿と、本殿が2つあり、説明板によると気都和既(気津別)
の命と、天津児屋根の命が祀られているようです。
境内にいると、高い木々の上から秋らしい山風が降りてきました。
法師蝉が鳴き、まさに秋気満つ感でした。
谷脇に捨てられていた注連縄の稲の籾から早苗が10センチ以上伸びていました。
神社の谷の上には新道があり、高い道路からは、芒の向うに
山に囲まれた飛鳥の棚田が見えました。
谷三つ交わる杜に秋の水 常朝
谷の杜に佇てば降りくる秋の風 常朝
(気都和既神社)
(気都和既神社説明板)
(気都和既神社本殿)
(「上」道路から飛鳥)
その後、国道169号線を北上、24号線、県道36号線から大和中央道(249)
を北上して、郡山城の西のレストラン「弁慶」で早い夕食をいただき、
富雄川沿いから25号線経由で、斑鳩の上宮遺跡公園に移動しました。
上宮遺跡公園は中宮寺東交差点の南、斑鳩東小学校の東側にあります。
着いた頃は7時前であたりは暗くなっており、公園の入口に迷いました。
上宮(かみや あるいは じょうぐう)遺跡公園は、1991年に
宮殿クラスの建物跡が見つかった遺跡に作られた公園で、
毎年この時期に観月祭があります。
公園内の円形広場の周囲は石段があるので、我々は、その西側に
シートや椅子を置いて、月見茶会を始めました。
落ち着いた頃には満月(正確には十六夜の月ですが)がすでに公園の木々の
上に出ていました。
夜の野点(のだて)ですが、静かな公園で月を見上げながらお茶菓子と抹茶、
煎茶などをいただきました。
月は地平に近いうちはやや橙色でしたが、上るにつれて白く輝きました。
月の上がり方は意外なほど遅く、ゆっくり、ゆっくりと空の散歩を楽しんで
いるようでした。庭園灯が明るすぎるほどでしたが、月が天上にくると、
あまり気にならなくなりました。
もちろん星はまったく見えません。
虫の声も聞きながらしばらく秋の夜を楽しんで8時半頃解散しました。
その間、2組のカップルと単車の青年2人が公園に来ただけでした。
上がるほど白くなりゆく今日の月 常朝
満月に見えぬ星でもあるんだよ 常朝
野点の泡見えずいただく月見会 常朝
(上宮遺跡公園の名月)
今年の猛暑を忘れて、天気に恵まれた秋らしい一日を飛鳥、斑鳩で
過ごすことができました。
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