「アカシア紀行・俳句」2013年9年5日(木) 前へ 次へ
九州の台風による連続4日の雨も止み、夕方やっと青空が見えた日、
いつものメンバー7人で、奈良県宇陀市大野の磨崖仏などを訪ねました。
大野の磨崖仏は、宇陀市の宇陀川の岸の大岩に鎌倉時代に線刻された
大きな弥勒如来像です。
我々は名阪国道・針テラスから南へ2.5キロほどの外の橋交差点を東南へ、
約4キロの165号線の緑川交差点を左折しました。
そこから1キロ東の室生寺入口交差点を右折、すぐ左折して川沿いの道を西へ
約500メートルほど行くと、向う岸に大きな岩の磨崖仏が見えてきます。
大野寺の駐車場に留めて、磨崖仏を拝観し川の辺を散策しました。
線刻のためお顔などは薄れていますが、大きな眉や細い目は笑っているように
見えました。
磨崖仏細目に笑まふ秋日差 常朝
(磨崖仏の写真を誤って削除しましたので、
imakumanさんのきれいな写真などをご覧ください)
(大野磨崖仏:imakumanさん撮影)
川の水量は先日来の雨のためやや増えていますが、澄んだきれいな水で、
糸トンボやセキレイが岸辺にいて、寺垣に仙人草が咲いています。
我々は何度も訪ねているので、今回は大野寺に入山せず、近くの海神社を
訪ねました。
海神社は大野地区の産土神のようですが、何故か山国に海の神である、
豊玉姫を主神として祀っています。
比較的小さな神社のわりに立派な拝殿、長拝殿、舞殿があり、
海の神社らしく龍の彫物が金檻に守られて、舞殿の軒にあります。
紀の宮神社などの摂社もあり、全部で6対もの狛犬があります。
御手洗には鳥よけの網が三方に掛けてありました。
大きな神杉の元を見ると二樹がつながっており、
杜から時々、キー、キーというような鳥の声が聞こえました。
そばの田では農夫の人が黙々と田草を引いていました。
左手には大野駅が近いので駐車場がありますが、廃業のようでした。
駅舎にはセキレイが飛んできて、線路の隧道には蝉の声が
うるさいほど響いていました。
鶺鴒の駅舎に来たる室生かな 常朝
御手洗に鳥よけの網水澄めり 常朝
(海神社本殿:クリックで拡大:以後同じ)
(海神社の舞殿)
(海神社の石段)
その後、165号線を東に4キロほど走り、三本松の青葉寺を訪ねました。
165号線から北へ入る山道には案内板があります。
100メートル程登って右手へ鋭角の坂を登るとすぐに駐車場です。
青葉寺は日蓮宗の寺ですが、左手の猪垣を開けると谷道に出ます。
谷道を約150メートル程登って、青葉の滝を見ました。
敦盛の青葉の笛はこの谷の竹で作られたとのことです。
滝は高さ10メートル程ですが、三段ほどのなめらかな岩を落ちる、
美しい滝です。日差が当たるとさらに美しいでしょう。
滝下も岩のため滝壺はありませんが鳥居と不動明王のお堂がありました。
山寺のため、境内は狭いながら百日紅、秋海棠、ヤブランなど、土手には
ツリガネニンジンなどが咲いていました。
寺の下の5、6段の棚田は一枚を除き、稲刈りが済んで稲架が並んでいました。
水音の響きさやかに秋の滝 常朝
(青葉寺)
(青葉の滝)
165号線の三本松駅のそばの、道の駅「宇陀路室生」で昼食をいただいた後、
向渕(むこうじ)の竜王渕を訪ねました。
ここは去年も訪ねた山中の大きな池です。
伝説などは、アカシア紀行158 毛原廃寺跡から笠間街道・竜王淵 に
記入しました。(2012年9月22日)
今回も向渕のバス停近くの交差点から西南へ1キロ、案内板のある角を
右折して100メートル程の駐車場に留めて、散策しました。
雲は低く垂れていますが雨の気配はなく、四阿に立つと秋風が来ました。
木道を歩くと、周囲の葦には葦の花が咲き、溝萩が咲いています。
池の辺には、ゲンノショウコ、クワイの花、 などが咲いていました。
また、去年と同じく、奥の堀越神社の岸辺には、
10センチ以上もあるオオマリコケムシのかたまりが不気味に、池の中の枝に、
いくつもついて沈んでいました。
雲低き竜王渕に葦の花 常朝
竜王渕の暗き水面に糸蜻蛉 常朝
(宇陀路室生道の駅)
(竜王渕)
(竜王渕2)
(オオマリコケムシのかたまり)
名阪国道針ICの針テラスにある、レストラン「メリカート・ロッソ」で
小句会後解散しました。
早くも室生路の秋を感じることができました。
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