「アカシア紀行・俳句」2015年9月23日(水) 前へ 次へ
好天が続いた秋の5連休の最後の日、いつものメンバー6人で、
奈良のメンバーの自宅で月待ち会をしました。
旧暦23日は二十三夜待ちの日で、昔は深夜に出る二十三夜の月を待つため、
集まって供え物をしたり食事を楽しんだとのことです。
この日は新暦23日なので月齢は9.8、月の出は午後2時で、月を待つ必要はありませんが、
我々も故事にならい、部屋の隅に机を出し、月見団子とススキと萩の代わりの紫苑(よなべばな)
を活けて月に供え、ちょっと早いですが午後3時集まり、雑談と宴会を楽しみました。
庭の金木犀はまだ蕾ですが秋風が香りを送っていました。
5時頃から宴をゆっくりすすめ、6時半頃お月見のため平城京跡へ移動しました。
月待ちに寺の後継ぎ話出て 常朝
よなべばな青磁に活けて月を待つ 常朝
平城京跡の駐車場は5時で閉まっていたので、道の北側の空き地に駐車し、
草原のなかの道をゆっくり歩きました。
駐車場入口から歩き始めるとすぐに虫の声があちこちで聞こえ、
なかでも、「チンチロリン」とかわいい声で松虫が鳴いていました。
鉦叩や邯鄲(かんたん)は聞き取れなかったですが、コオロギの色々な声が、
混じりあって虫の合唱コンクールのようでした。
空の三分の一くらいはうろこ雲がうすくかかって、その中にきれいな半月(十日月)が見え、
待っていると雲から完全に出て明るくなりました。
西のほうの木の間には 大極殿がライトアップされて美しく見え、
南側には、イトーヨーカドーや朱雀門らしい建物が明るくみえます。
時おり、機灯を美しく点滅しながらジェット機が西から東へ飛んでいきます。
夜7時前から平城京跡の夜の大空と半月、虫の声を楽しんで8時前解散しました。
文字通りチンチロリンと虫鳴けり 常朝
うろこ雲出し月照らす大極殿 常朝
この時期の夕刻平城京跡に数千羽集まったはずの燕達は、もうすでに草の中で寝ているようで、
静かでのんびりと過ごした、さわやかな一日でした。
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