2017年10月22日日曜日

256. 奈良・龍田大社の秋祭

「アカシア紀行・俳句」2017年10月21日(土)    前へ   次へ

  秋の台風21号が近づく雨の土曜日、3人で奈良生駒郡・三郷町の龍田大社の秋祭を訪ねました。
秋祭は21日,22日と続きますが本祭の22日は台風が本州に上陸しそうなので、
風雨をさけるつもりで、21日の宵祭に参加しました。

 龍田大社は約2100年前、崇神天皇の頃造営されたという、豊作と疫病退散を祈願して
風の神を祀る、周囲1キロほどの森に包まれた神社です。

 14時頃龍田大社の駐車場につくと、雨の中でも、20台位は駐車しており、
空きスペースは5、6台でした。

 雨の中、20位の屋台も出ていて、傘をさした子供たちがゲームや玩具などの店をのぞいていました。
我々はまず、石段を登って拝殿にお参りしたあと、周囲を散策しました。
境内には高橋虫麻呂の万葉歌碑や昔の手押しポンプ(火消し車)がありました。
その後、雨を避けるため、舞殿(旧拝殿)の軒の石壇に坐りました。

 午後3時、宵宮の神事がはじまり、10数人の参拝者も拝殿にのぼりました。
我々は拝殿に椅子がなかったので、昇殿は遠慮しました。

 神事は他の神事と同様、お祓い、降神、献饌、祝詞ではじまり、巫女の舞、鈴のお祓い後、
撤饌、昇神して、40分位で終わりました。

 拝殿には2台の立派な神輿が左右においてあり、神事の終わりには、
神輿の神をお送り(昇神)するため、4人位の神官が左の神輿を囲んで「オー オー」と
声を上げました。

 神事の終わる頃、町内を回ってきた太鼓台が、1台2台と大社の下の道路に戻り、
太鼓台のメンバーの男たちが三々五々拝殿に参拝しました。
太鼓台の形は、布団太鼓、提灯太鼓、社形の太鼓などさまざまですが、
いずれも雨から守るため、おおきなビニールで包まれていました。

 4時前にアナウンスがあり、4時から、7地区の太鼓台が順次、大社境内に宮入し、
鳥居下の広場に整列しました。
それぞれ20~30人の男たちが祭法被の上に雨合羽をきて、太鼓台を引いてきましたが、
7台のうち3台は、車でなく、肩で担いできました。

 いくつかの太鼓台には音頭取りの男性が乗って、音頭を歌い、掛け声を掛けながら、
威勢よく行進してきました。
(7地区は、高山、馬場、下之庄、坂根、いわせが丘、山上辻堂、今井で、
 うち、坂根、山上辻堂、今井のは肩に担いでいました)

 400~500人の参列者の雨傘の波のなか、雨を弾くようにして、
太鼓台が神社に入るのは、なかなか勇壮な見ものでした。

 4時30分すぎ、すべての太鼓台が宮入りしたので、我々は大社を辞して、
法隆寺東の「さと」でケーキをいただき、奈良へ戻って解散しました。
5時には太鼓台がそれぞれの地区に戻り、明日の本祭には再び行進と宮入りをするそうです。

       斎庭の砂雨吸ひ込みて秋祭    常朝

       秋雨に負けじと囃す太鼓台    常朝

       風神の杜に雨受く薄紅葉     常朝

                     (龍田大社秋祭の宵祭:クリックで拡大:以後同じ)           
                     (龍田大社拝殿)
                     (龍田大社拝殿より本殿)
                      (神輿)
                      (火消し車)
                      (高山の太鼓台)
                      (坂根の太鼓台)
                      (今井の太鼓台)

 結局1日中雨でしたが、古い神社の伝統を支える若い人たちのエネルギーと
努力に感心しつつ、深みゆく龍田の秋と祭を楽しむことができました。

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