「アカシア紀行・俳句」2011年2月19日(土)
雪も止んで久しぶりの快晴の日、いつものメンバー6人で
奈良県宇陀市室生区の深野、名張市の積田神社などを訪ねました。
深野は2008年、朝日新聞社の日本の里100選に選ばれた、日本有数の里山の
ひとつです。
近鉄大阪線三本松駅の北約2キロ、名阪国道25号線針ICの東約8キロにあります。
我々は針ICに9時頃集合し、白石交差点を左折して、残雪の山道を東へ6キロ
進んだ上笠間で右折して深野に入りました。
深野は三方が山に囲まれた地形の大きな棚田のある集落で、ほぼ真ん中の
高台にある神明神社の4、5台分の駐車場に車を止めました。
本殿も境内も比較的小さいですが、そこから南に宇陀や名張方面の美しい山並み
が見えました。冬の夜明け前はときに「かぎろい」も見えるようです。
神社の木立のある小さな丘には高野箒の枯れた茎と絮が沢山あり、
本殿のそばに蛭子神社の摂社があり小さな鈴がありました。
本殿右の集会所(長楽寺)の前の庭には「花橘」の蕾が沢山ついています。
青空にはうっすらとホウキ雲がかかり、飛行機雲が伸びていました。
集会所からたまたま女の人が出て、色々教えてもらいました。
小原(峠?)地区のセカンドハウスに住んで、訪ねてきた深野が好きになって、
時々ボランテイアとして、お手伝いをしているとのことでした。
今日は林野庁の人も来て、地元とボランテイアの人たちが占地(しめじ)を
植えつけるとのことで、境内に松苗と瓶入りの占地菌が置かれていました。
6月にはササユリの花があちこちに咲くとのこと。
神明神社の秋祭りは10月で19日夜は火祭りとして各地域から松明を持って
集まるそうです。
蛭子社の鈴音低き雨水かな 常朝
鎮守社の木立高高雪解晴 常朝
(神明神社:クリックで拡大:以下すべて)
(深野の景色)
深野から165号線へ出て名張市の積田(せきた)神社を訪ねました。
神社の由緒書によると、「つむたの宮」ともいい、767年、常陸の国の
鹿島大神(武甕槌命)が鹿島から奈良の春日大社に御遷幸の途中、留在された
霊跡で、神を乗せた白鹿の鞭の柿の枝を立てたら根がついて、今もある神柿の
大樹になったそうです。
神社は165号線夏見交差点の東300メートル程にありますが、青蓮寺湖への道
から入った100メートルほどの参道には大きな乳垂れ銀杏もある立派な神社です。
本殿の裏側(北側)に注連縄を巻かれ、紙垂(しで)付きの縄で囲まれた
「神柿」が立っていました。(伝説通りなら樹齢1224年?)
幹が抱えられない太さの柿は生まれて始めて見ました。
神社の森には藪椿がたくさん咲いて、つつじの苗が植えられていました。
脇を流れる名張川(供奉川)の右手上流に板橋があります。
我々は狭い道から板橋へ降りましたが、遠くに山も見える美しい谷川で、
雪解水が音立てて流れていました。
神柿の注連新しき雨水かな 常朝
宮川に板橋ありて雪解水 常朝
(積田神社案内図:クリックで拡大:以下すべて)
(やたらシッポの大きい狛犬)
(積田神社拝殿)
(神柿)
(板橋)
(名張川(供奉川))
12時すぎ、神社から再び165号線に戻り、三本松の道の駅「宇陀路室生」の
レストラン「青葉の庄」で昼食をいただき、いただいた案内地図にある、
165号線北側の旧伊勢街道の宿場町跡を訪ねましたが、よく分からずに
通り過ぎてしまい、下笠間の九頭(くず)神社を訪ねました。
室町時代に建てられた、水神タカオカミの神を祭る神社です。
古い石灯篭があり、大きなカヤの木や高い杉に囲まれた鎮守の森で、
石段にはパンジーと葉牡丹のプランターがありました。
その後案内地図にある永仁の磨崖仏を探しましたが、見つけることができず、
句会の場所とした針ICに戻り、イタリアン・レストラン「メルカートロッソ」
で小句会後解散しました。
(九頭神社)
(九頭神社の拝殿)
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