秋も深まる11月の好天の日、いつものメンバー6人で、奈良・吉野の
桜木神社から津風呂湖、龍門の吉野山口神社などを訪ねました。
10時前、近鉄飛鳥駅東の飛鳥夢販売所で集合し、
169号線を吉野川に沿って上流の宮滝橋を渡り、
まず象川(きさがわ)ほとりの桜木神社に着きました。
近江朝時代、大海人皇子(後の天武天皇)が吉野におられた頃、
敵に追われて桜の木に隠れたという伝説のある神社です。
象川の屋形橋を渡ると木々に囲まれた境内で、斜面に建てられた本殿の
左手前に高さ40メートルもの大きな神杉があります。
境内の右手は狭いキャンプ場で休憩所があり、並べられた丸太の椅子には
キノコが沢山付いています。川幅は狭いですが大きな岩がゴロゴロして、
岩の間を澄みきった水が流れています。
本殿右には山辺の赤人の万葉歌碑
「み吉野の象山の際(ま)の木末にはここだもさわぐ鳥の声かも」
があり、赤人が聞いた鳥の子孫でしょうか、
カケスがギャーというような声で何度も鳴きました。
その内、一人の男性がブロア(木の葉を飛ばす)で、川向うの道の
落ち葉を掃除し始めました。
象谷に一樹明るき銀杏黄葉 常朝
懸巣鳴く桜植樹のある杜に 常朝
(桜木神社:クリックで拡大:以後同じ)
(神杉)
(休憩所)
(山辺赤人の歌碑)
(象の小川)
しばらく散策後、吉野川・桜橋の平宗で昼食をいただいて、
169号線を東へ戻り、津風呂湖の自然公園を訪ねました。
公園は、ダムの南側で東に駐車場、売店、釣り店があり、
土手から湖を見下ろすと、大きな桟橋に4、5人が
ワカサギ釣りをしていました。
秋の日差の中、割合よく釣れているようです。
青い湖を囲む山の緑に所々紅葉が見えます。
寒釣の人よく動く日和かな 常朝
山囲む湖青し冬紅葉 常朝
(津風呂湖釣り桟橋:クリックで拡大:以後同じ)
(津風呂湖ダム)
湖から北上して、平尾交差点を右折、龍門の吉野山口神社を訪ねました。
神社の説明板によると、江戸時代紀州の殿様が参勤交代の折、
ここに参詣したようで、吉宗公寄進の大きな燈籠が2基あります。
周囲は田や畑があり道は農道の拡張のようでいずれも狭い集落です。
拝殿は割拝殿ですが、真中の扉は閉じられていました。
本殿は大きくはないですが、さほど古びておらず左右に孔雀の壁画があります。
右手にも別の摂社がありますが神名の表示はありません。
右手の大杉の根元に雀蜂が巣を作っていたようで、
巣の後に砂利が置かれて、杉の落ち葉も掛かっていました。
その後、北西0.5キロ程の菅生寺(すぎょうじ)を訪ねました。
竜門は菅原道真公の父母の土地で、道真公誕生地との伝説もあります。
本堂の壁には、歴代天皇の肖像が掛かっているとのことですが、
時間の都合もあり、今回は本堂参拝をせずにお庭だけを拝見しました。
庭には仏像のほかに、菅公の「龍門寺に遊ぶ」の詩碑があります。
菅公が宇多天皇のお供で当時あった山上の龍門寺を訪ねた時の
詩です。しばし都の政務を忘れて遊んだ寺と自然を讃えた詩です。
本殿の壁画に孔雀冬日差 常朝
菅公の詩碑に山茶花龍門寺 常朝
(龍門の吉野山口神社)
(本殿)
(菅生寺)
(菅公詩碑の説明板)
お寺を辞して、橿原市に戻り、橿原観光ホテルで小句会後、
解散しました。
芭蕉も訪ねた龍門の地名は聞いていましたが、
生まれてはじめて現地を訪ねることができました。
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