12月の快晴ながら冷えの厳しい事始めの日、いつものメンバー7人で、
奈良・崇神天皇陵から正暦寺を訪ねました。
9時半前、天理インターチェンジの入口のセブン-イレブンで集合し、
169号線を南へ約6キロの崇神天皇陵の駐車場に駐車しました。
ここは去年も訪ねていますが、今回は鴨とオシドリを見るのが
主な目的でした。(アカシア紀行182)
高い石段の上の拝所に立つと、陵の濠が見えますが、
あいにくオシドリは見えず、鴨が数羽悠々と泳いでいました。
左に小さな島があり、その周囲を鳰が一羽潜りを繰り返しています。
石段の下には陪塚があり、「飛地は号」と名札がありました。
お墓なのに名前がなく、番号が付いているだけです。
その後、陵の南側の道を東へ登りましたが、昔あったという竹炭窯もなく、
坂道の落ち葉でタイヤが滑って登れないので、砂防ダムの手前で
引き返し、正暦寺を訪ねました。
流れゐる如きさざ波鴨の濠 常朝
陪塚のぽっこりまるし冬日差 常朝
(崇神天皇陵:クリックで拡大:以後同じ)
(陪塚)
正暦寺も6年前に訪ねていますが、12月に来たのははじめてです。
(アカシア紀行51)
客殿手前の駐車場に車を留めて、まず客殿の土間に入りました。
扁額は「龍華樹院(正暦寺の院号)」とあります。
正暦寺は正暦3年に創立され、清酒発祥の地とされています。
そばの菩提仙川から採れた菩提酛(ぼだいもと)と名付ける麹(こうじ)菌で、
お酒のもととなる酒母を造り、奈良の酒造会社数社に配布しているとのこと。
各社で作られた酒を、机に並べて販売されていたので、
メンバーがそれぞれ三諸杉や百楽門などの酒を買いました。
その後、山手の本堂を訪ねましたが、電気柵などで囲まれており、
立入禁止となっていました。猪対策など保安管理上の理由があるようです。
川の両岸に沢山ある南天や、橋のそばのタラヨウの赤い実を
見て駐車場に戻ると、二人の男性がいたので、庭の大きな樽状の
装置を尋ねると、酒をつくるこしき(蒸し器)とのこと。
ここで、お米を蒸して麹を加え、建物内の装置で酵母を加えて酒母を
作るそうです。各酒造会社は酒母をもとに、さらに麹などを加えて
独自の酒を造るようです。
酒発祥の寺に酒買ふ事始め 常朝
寺川の音やはらかき冬の水 常朝
(正暦寺説明板)
(多羅葉の実)
(菩提仙川の冬紅葉)
(正暦寺客殿)
(客殿玄関・酒販売所)
(甑(こしき))
169号線に戻り、勾田町南の「さと」で昼食をいたいた後、
ミカン狩りを期待して、天理観光農園と巻野内のみかん農家を
訪ねましたが、いずれも11月末に終わったとのことでした。
やむなく農家で「ゆず」などを買って、桜井の天平庵で小句会後解散しました。
少し寒いながらも好天に恵まれ、広大な御陵の水鳥や山中の寺の
冬紅葉などを楽しめた1日でした。
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