2015年6月14日日曜日

214.飛鳥の蛍狩

「アカシア紀行・俳句」2015年6月12日(金)    前へ   次へ


 6月の梅雨晴れ間、茅花流しの風の金曜日、いつものメンバー 6人で、
奈良、明日香村の飛鳥川へ蛍狩に行きました。  

 飛鳥川の蛍狩りは4年前の6月15日にも行きましたが、その時よりは
少し早いので蛍が飛んでいるか少し心配でした。

 せっかくの飛鳥なので、明るいうちに棚田の田植えなどを見ようと、
午後2時明日香夢販売所で集合し、石舞台の南の勧請縄のある
稲渕へ行き、勧請橋のたもとに駐車しました。

 橋には南渕請安師の講義の絵などが掛っており、ときおり茅花流しの
涼しい風が飛鳥川の川面に白い草の絮を飛ばしていました。
橋のすぐ上流の分水路(田への)では一人の農夫が50個ほどの苗箱を丁寧に
洗っていました。
周囲の田を見ると皆田植えが終わってきれいな植田になっていました。
田の土手の茅花の穂がときおり風で飛んでいきます。
下流の植田で別の農夫が一人余り苗を持って挿し苗をしているようでした。

       茅花流し絮を飛ばせり飛鳥川     常朝

         (飛鳥稲渕-勧請縄:クリックで拡大:以後同じ)          
         (稲渕案内図)
         (稲渕の売店)
         (勧請橋)
         (南渕請安師講義図:右は中大兄皇子と中臣鎌足か)

 売店(かんなびの里稲渕)を覗いたりしてしばらく散策後、まだ田植えを
している田があるかもと、北側の細川の左右の道を車でゆっくり走りましたが、
皆植田になっていたので、甘樫の丘東南の麓の蘇我邸跡の駐車場に行き、
周囲を散策しました。蘇我邸跡は埋め戻されて、葛の蔓が走っており、
そばの合歓の木の青葉がきれいです。
道路の東側にはまだ田植えをしていない代田や田植え中の田がありました。

       甘樫の丘を映して代田澄む      常朝

         (蘇我氏邸跡-甘樫丘東南麓)         
         (飛鳥夢の楽市)

 その後甘樫の丘の東の「飛鳥夢の楽市」で、飲み物や野菜を買ったあと、
少し早い夕食をとろうと、午後4時すぎ食堂を探しました。
金曜日なのに、石舞台の「あすか野」、飛鳥駅の東の「御園」など、お休みの
店が多く、やむなく飛鳥駅東の「コッコロ」でピザトーストなど軽食を
いただき、5時すぎ飛鳥川へ戻りました。

 前回同様、稲渕の飛び石への降り口付近で一旦駐車しましたが、
まだ明るすぎるし、蛍を生育するビオトープがあって蛍が確実に見られるという
稲渕の東の関西大学飛鳥文化研究所のそばの飛鳥川に移動しました。

 着いた時はまだ6時すぎだったので、周囲を散策しました。
研究所の庭には美しい青や白の紫陽花が咲いています。
犬を散歩させている女性に会いましたが、犬は10才で糖尿病だそうです。
谷の合歓の木は葉を完全に閉じていました。

 日没の7時10分頃になると飛鳥の谷の空は茜色に染まり、燕が飛んで
行きました。
暗くなる頃カメラマンが一人来てビオトープの小さい池にカメラを
セットしました。
8時頃、そのビオトープへの狭い石橋付近の楓青葉の中で蛍が一つ、二つと、
光り始めました。しばらくして他の家族連れが2組ほど来た頃は、
数匹が弱々しく谷の上を飛び始めました。
蛙はうるさい程ですが、河鹿の声は聞き取れませんでした。

 8時15分頃、稲渕の飛び石の近くの棚田憩いの館のそばに駐車して、
道路から東側の飛鳥川板橋付近を見ました。
じっと目をこらすと、数匹の蛍が川面やそばの田の上を飛んでいました。
川への農道を行く人の懐中電灯が時々、巨大ホタルのように光り、
空にはジェット機のランプがいくつも南北に飛んでいました。

       上等の手箒持ちて蛍狩        常朝

       蛍待つ飛鳥の谷の夕茜        常朝

       田に映り飛びゆく蛍ことのほか    常朝

               (蛍のビオトープ)
         (関西大学飛鳥文化研究所-蛍の谷)            
          (棚田憩いの館)

 立って川面を見るのも少し疲れてきたので、8時半頃解散しました。
梅雨の中の天気に恵まれた一日、今年初めての蛍狩りを楽しみました。

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