「アカシア紀行・俳句」2016年8月16日(火) 前へ 次へ
お盆の暑い日の夕方、帰省中の孫達と7人で、帰る燕の大群を見に奈良・平城宮跡に行きました。
野鳥に詳しい俳句仲間のSさんに教えていただいたのですが、8月から9月一杯は、
南方へ帰る燕が平城宮跡の芦原に毎夕5~7万羽も集まり、数千羽が夕空を舞います。
夕方5時半頃家を出て、途中寿司と飲み物などを買い、西大寺の東の二条町南の平城宮跡資料館前の
有料駐車場に駐車し、5分ほど歩いて、第一次大極殿跡復元事業資料館の西側の軒下に着きました。
途中の遊歩道には亀がいました。燕の見送りかもしれませんが。
資料館前にはすでに10人位の人々が双眼鏡などを持って燕を待っていました。
軒下にシートを敷いて、ライトアップされた大極殿や芦原を見ながら夕食をいただきました。
6時半過ぎから、数百羽ずつの燕が空を舞い始め、だんだんと数が増えてきました。
我々以外に燕を見る人も30人以上に増えました。
資料館の屋根に月が出る頃には、千羽以上が舞い始め、一時は空が暗くなるほどです。
飛んできた燕は順に芦原に止まって、ねぐらにするようで、目の前の芦の葉が揺れて、
よく見ると燕が葉や茎に止まっています。
燕たちは飛んでいる時はチュチュチュとやかましいくらいですが、ある時には急に静かになり、
芦原の虫の声がよく聞こえます。そのうち一匹の猫が芦原の前に出てきました。
7時20分頃になると空が暗くなり、燕の姿も見えなくなりました。
おそらく、眠りについたのでしょう。
Sさんによると、燕の数は野鳥の会の人たちが、約2ヘクタールもある芦原を1メートル四方に区切って、
双眼鏡で燕を数えて全体を推計するそうで、16日頃は7万羽位いたかもしれないとのこと。
燕たちは朝4時半頃一斉に南の朱雀門の方へ飛び立ち、5分位で飛ばなくなるそうです。
おそらく大部分の燕たちは涼しくなるまで芦原で泊まってから南方へ出発するのでしょう。
一部は74年前父の戦地だったフイリピン南方まで帰るのでしょうか。
行き先は父の戦地か去ぬ燕 常朝
宮跡に燕の乱舞夏惜しむ 常朝
去ぬ燕舞ふ芦原に猫ゐたり 常朝
(大極殿:クリックで拡大:以下同じ)
(遊歩道の亀)
(大極殿復元事業資料館前)
(資料館前の芦原)
(燕の乱舞)
暗くなった平城宮跡の虫の声を聞きながら駐車場へ戻り8時前帰宅しました。
空が暗くなるほどの帰る燕を見たのは初めてで、去りゆく夏を感じました。
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