「アカシア紀行・俳句」2016年9月1日(木) 前へ 次へ
9月1日防災の日、いつものメンバーの都合のつく3人で、奈良・斑鳩町・吉田寺(きちでんじ)の
放生会(ほうしょうえ)を訪ねました。
吉田寺は、藤原時代恵心僧都が安置したという丈六阿弥陀如来像を祀る浄土宗の寺で、
恵心僧都が祈祷した衣を掛けられた僧都の母御が大往生をとげたとして、ぽっくり寺として有名です。
JRでは法隆寺駅の北西約1キロ、車では25号線竜田神社南交叉点の南約200メートルです。
駐車場が少ないので法隆寺に駐車し、松本屋で早い昼食をいただいた後、タクシーで吉田寺に
入山した12時前には、境内にすでに数十人の人々が集まっており、祈祷などの受付所のテントには、
数人の人が机の後ろに坐っていました。また多宝塔の前には結縁帳ご志納受付のテントもあります。
(吉田寺山門:クリックで拡大:以下同じ)
(吉田寺境内)
(多宝塔)
(参道脇の菊畑)
本堂にはすでに祈祷を受ける20人位が坐っていましたが、1時すぎくらいからは放生会の準備で、
僧侶の座席などと共に、中央には20匹ずつ位の金魚の入ったビニール袋を一つずつ5つの金盥に入れ、
そのすぐ向こう側には鳩の箱を5つ置かれました。
外人の女性一人が携帯カメラと扇子を持って本堂のそばで放生会を待っていました。
(放生される金魚と鳩箱)
放生会は1時半からということで、南側の参道のそばの放生池や、北側参道のそばの菊畑や
稲の花の咲く田んぼなどを散策しました。
1時半ころ僧侶が10人ほど本堂に入り、法要が始まりました。
境内のテント前に赤いシートを3枚敷いた上に机を置いたので、すぐ放生かと待っていたら、
結局2時半前までお経が続き、待ちくたびれた頃僧侶がでてこられて、鳩の5箱をテーブルに置き、
短いお経のあといっせいに蓋を開けて鳩を飛ばしました。
(僧侶の入堂)
(鳩放生のあと)
隣の90才のご老人が自分の携帯電話のカメラ撮影ができないと言われたので、
携帯画面をチェックしていたら、鳩達はいなくなっていました。
この方は王寺町の人で、16才頃大阪砲兵工廠に勤務後、少年志願兵として中国の内蒙古へ出征し、
19才頃に無事帰国、退役したそうです。
20才を過ぎると徴兵検査を受けるのですがその前に退役したそうです。
その後、僧侶は放生池に移動し、係の人が金魚を放生しました。
池の南側(駐車場の北)に遠離穢土欣求浄土と書いた布を置いた机があり、右手に長さ2メートル程の
樋が池に向かって斜めに設置されています。
机の前で短い法要後、担当の方が金魚を一匹ずつ樋に放つと、滑り台のように金魚が滑って
アオミドロの池に落ち、たちまち見えなくなりました。
数分で金魚の放生も終わり、僧侶は本堂の方へ戻りましたが、我々はタクシーが来るまで、
駐車場で放生会と書いた看板の竹竿を下ろすのを見ていました。
斑鳩の参道脇に稲の花 常朝
外人の女来てゐる放生会 常朝
放生会の金魚たちまち青藻中 常朝
(放生池)
(放生池の説明板)
その後法隆寺参道の平宗の店でかき氷をいただき、奈良に戻りました。
残暑厳しい9月初めにしては境内は涼しく、ときおり風もあって、斑鳩の初秋の風物詩を
ゆっくり楽しむことができました。
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