4月初めの暖かい日曜日、奈良・天理市の大和神社の「ちゃんちゃん祭」を訪ねました。
ここは、弓始めなどでよく訪ねていますが、ちゃんちゃん祭は11年ぶりです。
(参照:アカシア紀行30)
12時半頃、神社の東の臨時駐車場に駐車し、境内に入ると、
長い参道に屋台が10軒くらい出ており、子供達にくじ引きで縫いぐるみ、カードなどを
売ったり、お菓子やバナナチョコなど食べ物を売っていました。
また、境内では、すでに行列のために白い水干を着た人たちや、行列の馬5頭などが、
それぞれ出番を待っていました。
中には金色の烏帽子を被った小学生の男子たち(頭人児:各地区の頭屋の子)、白馬、白いポニーもいました。
(ちゃんちゃん祭ポスター:クリックで拡大、以下同じ)
(大和神社)
(くじ引きの屋台)
(二ノ鳥居近くの屋台)
(出番を待つ白馬とポニー)
(鉾、千代山鉾と風流傘)
本殿にお参りしてから、鳥居のそばで行列を待ちました。
200人近い行列なので、メンバーが揃うのに時間がかかるようでした。
烏帽子姿の子供が退屈そうに、参道の砂利で遊んでいました。
二ノ鳥居を先頭にやっと2時頃行列が揃い、太鼓の合図で出発しました。
露払いの錫杖、梅ずわい(若枝)、赤天狗、錦の旗2本、市長の乗ったサラブレッド(馬)、
鉦、太鼓、千代山鉾、風流傘、龍の口、乗馬の武者2名、小神輿、鉦、太鼓、火炎太鼓、
楽人4名、大神輿、鉾、槍、白馬、白馬のポニー、神主の馬、 の順で9地区のそれぞれに、行列の持ち物の分担があるようですが、やはり、神輿を担ぐ高校生達が大変そうでした。
(龍の口)
(楽人と神輿)
行列はあるきながら鉦をちゃんちゃんと鳴らし、続いて太鼓を3つくらい鳴らして進みます。
我々は、行列の先頭近くについて、行列と共に歩きましたが、途中何度か行列が止まり、
近くの御旅所(10メートル四方位の広場)では神輿が中央の石の回りを3回回ったようでした。
行列は各地区の狭い道をゆっくり進みますが途中前方後円墳(矢矧塚古墳)のそばを通りました。
市長の馬は、元気が良すぎるのか、途中で何度もいななきました。
3時頃、2キロほど歩いて東側の丘の中腹の御旅所(大和稚宮神社)に着き、
神社の前の斎竹で囲まれた境内に神輿を2つ置き、その前の祭壇で、祝詞や玉串奉奠、
地区ごとの供物(酒など)と萱束奉納、玉串奉奠がえんえんと続きました。
供物や萱束は一旦そばの別の神社(歯定神社)に納めてから、祭壇に運んでいました。
4時半すぎ、烏帽子姿の子供2人による、龍の口舞(といっても龍の口を持って神輿の周囲を三度回り祝詞を上げるだけですが)があり、終わると皆から拍手を受けていました。
その後、翁舞があり、終わってから歯定神社から萱束を出して、皆に投げてくれました。
私も一束をいただきました。
翁舞といっても、翁の鋤で土を耕す動作のあと、水干姿の男性が10人ほど、桶の中の樫の青葉を掴んで、何か呪文を叫んで一斉に空へ投げ上げるだけでしたが。
御旅所での神事の間に、各地区の行列の参加者たちは、シートの上で、幕の内弁当と
お酒や飲み物をいただいていました。神事が長いので、多分お酒の酔もさめてきたでしょう。
神事が終わると、それぞれの地区の人が萱束を受け取っていましたが、豊作祈願のため、
あとで各家に配るようです。
(地区は、中山、成願寺、岸田、長柄、兵庫、佐保庄、新泉、三昧田、萱生(かよう)でした)
行列の古墳を過ぎる春祭 常朝
若き市長烏帽子が似合ふ春祭 常朝
御旅所を降りる坂道雲雀鳴く 常朝
(行列を待つ御旅所)
(御旅所の説明板)(稚宮神社での祝詞)
(頭人児の参拝)
(子供の龍の口舞)
(翁舞の耕し)
(翁舞で樫の葉を投げ上げる)
地区毎の奉納参拝も、ゆっくりしたもので、いかにも田舎の祭でしたが、
それはそれで、地域の皆さんはのんびりと春の祭を楽んでいるようでした。
御旅所から降りる畦道を歩いていると雲雀が左右で鳴いていました。、
我々も、うららかな桜の花の下で、古式豊かな大和の祭を楽しむことができました。
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