2019年3月13日水曜日

278. 琵琶湖・石山から堅田漁港

「アカシア紀行・俳句」2019年3月12日(火)    前へ   次へ

 変わりやすい気候のなかの晴れの日、琵琶湖・石山から堅田漁港をいつものメンバー3人で訪ねました。

 JR奈良駅を10時頃車で出発、京滋バイパスの石山を降りて、しじみ料理の「石柳」を9年ぶりに訪ねました。11時半頃着いたので、店には我々以外に客はおらず、久しぶりに鯉の洗いとしじみの定食をいただきました。昔席にきてしじみの産地の話などをしてくれた主人らしい人は見えなかったです。(参照:アカシア紀行101

窓からは瀬田川のさざ波と、反対側の石山寺の駐車場のバスから降りる観光客が見えました。店を出る12時半頃は席はほぼ満席になっていました。

              (石柳:クリックで拡大:以下同じ)
              (石柳の店内)

       瀬田川の波はさざ波蜆飯    常朝

 その後、琵琶湖の西岸沿いに北上し、堅田漁港に1時20分頃着きました。
浮見堂のそばからややこしい狭い道を抜けて、お寺の駐車場に車を置かせてもらいました。
昔焚火をしていた人達は見えず、軽自動車の漁師らしい人が漁協の建物の前で職員らしい人に
8匹ほど箱に入れたニゴロブナを渡していました。

 桟橋には漁船がぎっしり繋がれていますが、その桟橋を黒白の猫が走ってきて、浜の田村淡水の
建物に入りました。
我々も、田村淡水(佃煮、鮮魚卸)さんに入り、氷魚(ひうお)、スゴモロコ、鮒ずしを買いました。氷魚は3センチ位の鮎の幼魚で、透明ですが茹でると(釜あげ)白くなり、珍しいものです。

 そばでは、高齢の男性と中年女性が、まだ生きている30匹くらいのニゴロブナ(煮頃鮒)の鱗や腸(はらわた)を取っていました。
 よく見ると、鮒の腹は開かずに、あごの辺りに指を入れて腸を抜いていました。
聞くと、卵を残して、米を中に詰めるため、腹を開かないそうです。
最初塩を入れて2年、次に麹米を入れて1年、桶の中に寝かすそうです。
鮒ずしが高価なのは、この手間と時間がかかるからでしょう。

 2時頃漁港を出ましたが、まっすぐ西へ出て橋を渡ると、堅田駅前の交差点に出ました。
これが一番の近道のようです。

              (堅田漁港)           
      (漁船)
(田村淡水の工場)
              (氷魚とスゴモロコ)
(ニゴロブナの調理)

       湖の桟橋走る春の猫         常朝

       春の鮒開かず腸(わた)を抜きゐたり 常朝

 帰る途中、2時半頃、下坂本・四ツ谷交差点の四ツ谷湖岸緑地に駐車して、湖の鴨などを見ました。キンクロハジロや鷭が数十羽波に揺れており、そのうち時雨が降ってきました。

しかし雨に負けずに、鳶が2羽飛んできてピーィと湖に声を飛ばしていました。
2人の若者がきてブラックバスを釣りはじめました。
緑地には2本梅が咲いて、枯れ芦の間に近江富士が小雨に霞んでいました。

              (湖岸緑地)           
             (湖岸緑地の梅)

       湖に声わたらせて春の鳶     常朝

       近江富士望む湖岸に春時雨    常朝


 その後小雨の中、浜大津、膳所城跡などを通って石山に戻り、京滋バイパス、京阪奈道を
通って奈良へ戻りましたが雨は上がっていました。

 久しぶりの蜆飯と早春の漁港や湖岸の風景を楽しめた、一日でした。