2019年7月16日火曜日

284. 奈良・奥田の蓮池(捨篠池)   

「アカシア紀行・俳句」2019年7月15日(月)    前へ   次へ 

 梅雨の合間の曇りの日、いつものメンバー4人で奈良・大和高田市奥田の蓮池を訪ねました。
奈良からは、天理街道(169)-中和幹線-165号線-高田市から24号線の新庄町・南花内交差点の東1.5キロです。

 この蓮池は吉野金峰山寺・蔵王堂の蓮華会に供えられる、蓮の花を摘み取り送る行事が毎年7月7日に行われ、我々も10年前、3年前に訪ねました。  参照:アカシア紀行89
今回はメンバーの都合もあり、行事後の池とその周囲を訪ねました。

 地元の人に教えてもらい池のそばの駐在所の北側の防災倉庫前に駐車し、池の周囲を散策しました。蓮取り行事の旗があちこち残る池は100メートル四方ほどで、その東半分は蓮ばかりで青々としています。まだ花がぽつぽつ残り、いくつかの青い蓮の実は光る露を載せ、若葉は緑の阿闍梨笠のように長く巻いて心地よい風にゆれていました。
 
 この池には役行者の母(刀良売)が池の蛙に篠を投げると蛙の目に当たって一つ目蛙になり、それを気に病んで亡くなったので、後に役行者が供養のお堂を建てたなどの言い伝えがあるようです。役行者はこの池の南西100メートル位の福田行者堂のそばで生まれたとのこと。

 蓮の実のお守りを買おうと近くの善教寺を訪ねましたが、行事の日と違って庭には誰もいず、本堂のお経が聞こえるだけでした。そばの小川では以前見た大田螺は見あたりませんでした。

 寺から戻ると、他のメンバーが、捨篠神社(弁天神社)の御手洗石にボウフラ(孑孑)がいると教えてくれ、しばらくボウフラを見ていました。
帰り道に、池から北西250メートルほどの刀良売の墓を車から拝見しました。

     (捨篠池)                       (蓮取り説明板)


     (捨篠神社(弁天神社))               (民話伝承碑)  
 


     (善教寺)                      (刀良売の墓)



        蓮の花ぽつぽつとある青世界     常朝  

        蓮若葉風に緑の阿闍梨笠       常朝  

        手を振りて孑孑ここと教へらる    常朝  


 その後、京奈和自動車道のある24号線を北上、165号線から橿原観光ホテルで昼食とコーヒーをいただき、2時すぎ、橿原神宮駅で解散し、奈良へ戻りました。

 梅雨の合間の曇り空で暑さはなく、池には蓮の青葉の風もあり、のんびり静かな一日でした。