2020年2月3日月曜日

290. 奈良・元石清水八幡神社の鳴護摩神事

「アカシア紀行・俳句」2020年2月2日(日)    前へ   次へ

 好天に恵まれた節分の前日、いつものメンバー3人で奈良・大安寺南の元石清水八幡神社の鳴護摩神事を訪ねました。
鳴護摩神事は 他では鳴釜神事とも言われる、米を蒸す釜の音で吉凶を占い、また今年の安全、健康を祈る神事です。

 神社に9時半頃 着くと 既に20人位が 神社に集まり 神事を待っていました。
拝殿には30人分位の椅子が設置され、中央に炉、右に鳴釜が置かれていました。
我々は氏子ではないのですが、最後部の椅子に座らせてもらいました。
釜の上には高さ60センチ、直径30-50センチ位の酒樽のような蒸し器があります。
すでに、蒸す米は釜の中に入っているようでした。

 9時40分頃宮司が挨拶をして 神事が始まり、最初に女禰宜(女の神官)が お祓いをして祝詞をあげたのち、5人の男女行者が入場して、釜を炉の上に置き、炉に火をつけリーダーの女行者の祝詞ののち、般若心経などを何度も唱えました。

 20分位で 釜がゴーーとも、ワーンとも聞こえる、聞いたことのない音を立て始め、その音の鳴っている最中、読経の中、参列者が 一人ずつ 釜の前に立ち、お祈りの後、頭などに湯気をかけました。 その前後で 男性行者が一人一人 背中を加持棒でさする仕草をして、加持祈祷を行いました。

 宮司は、病人が家にいる人はと声を掛けて、3、4人がそれぞれ持参のタオルか神社のタオルを湯気にかけて、病を癒やす祈祷もしてもらっていました。

 11時前 全員の加持祈祷が終わり、宮司の挨拶で神事が終わり、その後 一人一人に 釜の湯を 紙コップで、また、蒸した米を袋に入れて配りました。我々も他の参列者と同じように加持祈祷、お湯、お米をいただきました。
終る頃は参列者が30~40人になっていましたが、やや寒かったので塩気のある熱いお湯は美味しかったです。ゴーーという釜音の中での祈祷は霊験があるように感じました。

 その後、参道の東側の入り口そばの「赤ちゃんの木」を見て神社をあとにしました。

  (元石清水八幡社)                   (鳴釜の拝殿)


   (神事説明紙)                     (神事の開始)        


   (祈祷の開始)                     (参列者の祈祷)        


  (お湯と蒸し米いただいて解散)            (赤ちゃんの木)        


        鳴釜の響く拝殿春近し         常朝

        鳴釜の湯気を頭にいただきし      常朝  

 我々は 神社の北側の大安寺をしばらく参拝をして、西ノ京・薬師寺南の レストラン「たまゆら」で昼食の柿の葉寿司をいただき、北の菅原神社を訪ねました。 入場料の必要な9日の梅園開始前なのに、今年は梅の花が早くて神社の梅や盆栽はすでに七部咲き以上に 咲いていました。神社のお下がりの袋豆を頂いて 神社を後にしました。

 (元石清水八幡参道)                    (菅原神社紅白の梅)


        撫で牛の背なに紅梅影落とす      常朝

        天神の一樹の梅に紅と白        常朝  

 その後 奈良の北の植村牧場で アップルパイなどをいただき解散しました。
節分前のお天気に恵まれて、珍しい鳴護摩神事(鳴釜神事)と早い梅を楽しむことができました。