2019年8月29日木曜日

285. 奈良・九品寺から一言主神社

「アカシア紀行・俳句」2019年8月28日(水)    前へ   次へ  

 猛暑が去って天気予報が一日中雨の日、11年ぶりにいつものメンバー4人で奈良葛城の九品寺を訊ねました。
奈良からは、天理街道(169)-中和幹線-葛本町東-165号線高架-大田南-山麓線南約5.5キロです。

 雨模様だったので寺には入らず、法師蝉の鳴く九品寺道の広場から番水時計を訪ねました。
東大寺管長だった清水公照(沙波)の歌碑もあります。
寺のすぐ下を通る九品寺道は葛城古道であり、一言主神社へ歩けるようです。
田の水を公平に配分するための番水時計は道の駐車場の北側約30メートルにあります。
すぐ下に、田への水を南北に振り分ける分水堰があり、そばには土嚢が2つ置いてあります。
時計の下に書いてある時間がくれば、土嚢を堰の一方に置いて水の流れを変えるのでしょう。

 番水時計のやや下には無花果の青い実や柘榴の赤い実も見えます。
数メートル下にも分水堰があり、その間の田には稲の花が咲いています。
蓮田にはピンクの蓮が咲き、実が沢山付いていました。
麓を眺めると大和三山が見え、右には吉野の山々が美しく見えました。

     (九品寺道の広場)                (そばの小川)


     (清水公照歌碑)                  (番水時計)  


        蓮の実や九品寺道に風来たる     常朝  

        稲の花番水時計に時間表       常朝  


 九品寺道の眺めを堪能してから、1キロほど南の一言主神社を訪ねました。
ここもほぼ10年ぶりです。杉並木のの参道を通り、石段を登ると大きな銀杏があります。
庭にはムクロジの木が少しですが実を落としていました。

 本殿の左手奥には、芭蕉句碑 

        なほ見たし花に明けゆく神の顔      があります。

 一言主神は顔の醜い神様とのことで、芭蕉が見たかったのでしょう。
また仁徳天皇の皇后「磐之媛」の父襲津彦(神功皇后時代、新羅に派遣された)にちなんだ
万葉歌碑

 葛木の其津彦真弓荒木にも 憑めや君がわが名告りけむ   万葉集巻11

もあります。
 本殿の瓦が悼んだので、9月9日ご遷座して屋根の葺き替えをするため
高い足場が本殿の右に建てられています。後の高い木々から法師蝉が聞こえます。
ムクロジの黒い実をひとつ拾いました。

      (一言主神社)                  (足場と無患子の木)  


(大銀杏)                        (芭蕉句碑)


(碑歌せつひこ)                     (一言主神社説明板)


        無患子の実に想ひたり神の顔     常朝  

        ご遷座の足場高高つくつくし     常朝  

その後橿原観光ホテルで昼食をいただき解散しました。
雨模様の一日でしたが我々が外にいる間はほとんど傘が要らないほどでした。
久しぶりに葛城の山麓を楽しんだ一日でした。