「アカシア紀行・俳句」2010年6月29日(火)
梅雨らしい雨模様の日、いつものメンバー4人で奈良・東吉野村に吟行しました。
東吉野村には多くの句碑があり、公営の入浴施設「たかすみの里」の中には
運河主宰茨木和生先生ほかの尽力で、俳句関係の書物や色紙、句軸などを
保管展示する「たかすみ文庫」が運営されています。
我々はまず「たかすみの里」の北隣の料理旅館「天好園」に11時半ころ着き、
昼食をいただいてから、園内を散策しました。
園内の鱒池のそばには山法師の白い花が満開で、すぐそばに流れる平野川には
鮠が泳ぎ、河鹿が鳴いていました。
河鹿聞くと下りし石段手摺錆ぶ 常朝
(天好園の山法師:クリックで拡大:以下すべて)
(天好園そばの平野川)
そのあと、「たかすみ文庫」を拝見しました。
今は「東吉野村所蔵品展」~茨木和生氏寄贈品展~ を開催中で、
色紙など多くの著名な俳人の作品が展示されていました。
「いつからの一匹なるや水馬」 右城暮石
「茶の花になほ初春の日和かな」阿波野青畝
「海に出て木枯帰るところなし」山口誓子
などの多くの色紙・句軸のほか写真も展示されています。
(たかすみ文庫展示室)
その後、4,5キロ北の白馬寺の境内にある投石の滝に行きました。
3年前にあった高い欅の巨樹は倒れて伐採されており、
代わりに1メートルほどの若木が植えられていました。
滝は寺の本堂右の杉林の中の川沿いの道を100メートルほどいくと、
見えてきました。
滝を見上げる20坪位の広場にも高い杉があり、一本の杉の根元に
沢蟹が歩いており、見ていると根元の杉皮に隠れました。
そばには
山祇の土になりゆく小楢の実 鬼房
の句碑もあります。
滝は高さ15メートルほどで、梅雨の時期でもありかなりの水量です。
滝壺は岩だらけですが、そこに流れ込む小さな流れもありました。
下流には砂地もあり、そこでは滝水もゆっくり流れていました。
その後天好園そばの山神を祀る祠と木の道具などと、近くの道路脇の
またたび(木天蓼)の白い花を見ました。
神杉の樹皮に沢蟹隠れたる 常朝
滝壷へ杉葉をくぐる流れあり 常朝
滝水の砂地に着きて落ち着きし 常朝
(投石の滝)
(投石の滝)
(山神祀り)
(またたびの花)
のち、吉野の厳島神社を訪ねようと行きましたが、
石段が急だったので今回はあきらめ、橿原ロイヤルホテルで
ケーキセットをいただき吟行を無事終えました。
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