「アカシア紀行・俳句」2018年6月5日(火) 前へ 次へ
6月初旬の梅雨入り直前の火曜日、奈良・橿原市上品寺町(じょうほんじ)の「シャカシャカ祭」を訪ねました。
シャカシャカ祭は、五穀豊穣を祈るため、大蛇を神として祀るために、子供たちが藁で編んだ、7メートルもの大蛇を担いで町中を歩く地域の祭です。
昔、人身御供をせまる大蛇がおり、それを村人と若者が退治したので、その霊を慰めるためにはじまったという言い伝えで、大蛇が竹藪を進むとき「シャカシャカ」と音がしたので、シャカシャカ祭と呼ぶようです。
午後1時半頃、中和幹線(105)と24号線の交差点「葛井町」の北側のアイフル駐車場に駐車し、10分程歩いて、上品寺町の当屋(祭担当の家)の上田さん宅を訪ねました。
上品寺という寺は今はなく、お宅の西隣が浄正寺です。
長屋門のような立派な門を入ると、すでに100平米ほどの庭に、カメラマン4-5人を含む14,5人が集まっており、2-3人の男性が、筵に坐って、藁束で大蛇を編んでいました。
蛇の口は、1尺ほどの舌となる赤布を咥えており、頭から順に、藁束を差し込み、差し込んだ部分を細縄で順に縛っていきます。30数束をつないで、約7メートル、後ろに2-3メートルの縄をつけて完成です。
担い手の子供たちが昔の20人位から減ったので、大蛇の長さも少し短くしたようです。
(当屋の上田さん宅:クリックで拡大、以下同じ)
(シャカシャカ祭の案内書)
(大蛇を編む)
(大蛇を編む2)
30分ほど休憩後午後3時から、男性(当屋の主?)が庭の机の上で、米粉とお湯で「ちまき」の餅を練り始めました。熱すぎるのでと水を加えたためか、練り上げるのに少し時間がかかりました。
大きな2つの餅を作り、それぞれ3-4枚のハラン(葉蘭)の葉でくるんで紐で縛り、大きなちまきが2つできました。
ちまき作業中、当屋の1才位の坊やが机の前で眺めたりハランの葉で叩いたりして皆の笑いを誘っていました。
そのちまきを、大蛇の前に置いて撮影後、当屋の坊やと主(祖父?)が、大蛇にまたがり写真を撮ってもらっていました。
(ちまきを作る)
(大蛇完成)
学校の放課後になるまで40分以上、当屋の庭と門前で待ちましたが、4時ころから母親に連れられた幼稚園位の法被姿の子供が数人集まり、近所の人達も合わせて20人以上になりました。中には立派な黒い賢いシェパードを連れた人もいて、行列にも参加していました。
4時15分頃、3才から10才位の法被姿の子供たち12人位が集合したので、大蛇の行列を始めました。
まず、北側の中和幹線の葛本町西あたりまで大蛇を約150メートルほど進ませ、水を飲ませて休憩後、南約250メートルの上品寺町集会所まで行進しました。途中遅れてきた小学生の2人が行列に加わり、14人となりました。
集会所に到着後、南の大きなエノキの木に、梯子をかけて、大蛇を巻き付け、ちまきを頭の部分にかけて完成です。拍手と子供たちの記念撮影が終わった頃、ぽつりぽつりと雨が降り出して解散しました。
(子らを待つ人々)
(いよいよ出発)
(蛇の行列)
(榎に巻き付いた大蛇)
蛇祭子らに大蛇の長さかな 常朝
蛇祭木に巻く蛇の藁飛ばし 常朝
帰りは、行きと同じく、車で葛本町から土橋南交差点、京奈和道路、郡山南のルートで、奈良へ戻る途中、やや本格的に雨が降ってきました。
地域の人たちによる、主人公が子供たちの祭ですが、お天気にも恵まれ、
来訪者の我々にも和やかな気分にさせてくれる、のんびりとした良い夏祭りでした。
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