2008年4月10日木曜日

58.奈良興福寺・東大寺の花祭から峠茶屋

「アカシア紀行・俳句」2008年4月8日(火)

 4月の花祭の日、妻、妻の友人、義兄姉らと奈良・興福寺と東大寺に
参拝しました。
お釈迦様のお誕生日を祝う花祭は、潅仏会(かんぶつえ)、仏生会(ぶっしょうえ)
ともいわれますが、昔はどこの田舎の寺でも草花で飾った小さな御堂、
花御堂を作り、その中のかわいい誕生佛に甘茶をかけ、お寺から甘茶を
いただきました。
今は花祭を実施するお寺は割合大きなお寺に限られているようです。
我々が10時頃興福寺南円堂につくとすでに仏生会の法要が始まっていました。
きれいな花御堂が南円堂の前に立てられ、そのすぐ外側に大きなテントが
張られ、中で11人の僧が声明をあげていました。
お経は般若心経、法華経寿量品などで、神様の名も上げられていました。
途中で僧は散華(さんげ:紙の大きな花びら)をうしろへ撒きます。
11時ころお経が終ると僧は順に誕生佛に甘茶をかけて法要が終わり、
散華を1、2枚ずつ分けてもらいました。
その後で我々も並んで甘茶をかけ、甘茶をいただきました。
甘茶は甜茶(てんちゃ)だそうです。
境内の鹿たちの角は秋に伐られた角が生えかける、いわゆる袋角で
高さ2、3センチの黒々とした皮袋に包まれたいました。

その後東大寺大仏殿にいき、大仏殿の基壇の正面中央に置かれた花御堂に
ならび甘茶をかけました。法要はすでに終っていたようです。
東大寺の甘茶はいわゆるアマチャ(甘茶)で、机の上に説明書があり
写真はヤマアジサイに似ていました。
大仏殿の方は外国人も多く、何語かわからない言葉もあちこちで聞こえました。
大仏殿の回廊の桜も見事に満開で、境内の赤芽樫もきれいでした。
大仏殿の東の広場も草の緑と周囲の桜が見事で、大仏殿の回廊とおなじ
花の回廊でした。

公会堂で昼食後、春日奥山ドライブウエイの桜のトンネルをくぐり
柳生街道の峠の茶屋にいきました。
あいにく、茶店は閉まっており近くを30分くらい散策しました。
周囲は高い木の山桜、椿、すみれ、ミヤマカタバミなどが咲いています。
そのうち運良く店主が車で戻ってきました。
町で法事があったとのことで、我々は無理に雨戸を開けてもらい、
草餅をわけてもらいました。
茶屋の中ではナナという犬がひとりで留守番していました。
家族でこの山の中の家に住んでいるとのことです。
3時半頃我々は2台の車で店主に送られ茶屋を出ました。



         声明のテントに響く仏生会     常朝

         雲去りて花の回廊輝けり      常朝

         高々と峠の茶屋の山桜       常朝

        (興福寺仏生会:甘茶を掛ける僧)

        (東大寺の花祭:花御堂にならぶ人々)

        (閉まっていた峠の茶屋)

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