歌にあるフランシーヌの場合と同じ3月30日の日曜日は、朝からはげしい雨
でしたが、いつものメンバー7人で、花見を兼ねて奈良・広陵町の百済寺から
橿原市の河俣神社を訪ねました。
元の予定は馬見丘陵公園でしたが、雨が激しかったので、公園に集合後
方向を変えました。
百済寺は広陵町役場の東1キロほどにある、真言宗の古い寺で三重塔と
小さな本堂があります。奈良時代の官寺であった百済大寺の故地との
言い伝えらしいですが、最近の説では、官寺でなく地元の寺であったようです。
しかし鎌倉時代の三重塔の周囲にけやきの大樹などと共に、
8分咲きくらいの桜が雨に打たれて、風情がありました。
本堂は小さく、十一面観音が祀られているようですが、無住寺で、
同じ境内の春日若宮神社の神主が管理されているようです。
お寺に着いたときすでに雨が激しかったので、
神社の拝殿の軒に雨宿りして塔やお堂を拝見し、桜を見上げました。
ときおり強い風もあり、まさしく春の嵐でした。
嵐の中での花見は初めてです。
絵馬堂もあり、鉄線の鍵を開けて中に入ると、尉姥(じょうとんば)や、
宇治川先陣の絵などが沢山掛けられ、静御前の絵もありました。
三重の塔を雨打つ春嵐 常朝
絵馬堂に静舞ふ絵も花の寺 常朝
(百済寺三重塔:クリックで拡大:以後同じ)
(百済寺本堂)
(本堂の雨と桜)
(百済寺公園)
雨が止みそうもないので、数キロ南の広陵町大塚交差点の北の今日亭で
少し早い昼食をいただき、橿原市雲梯町の河俣神社を訪ねました。
河俣神社は、三輪の大国主命の御子である事代主命(ことしろぬしのみこと)を
祀る神社で、曽我川の桜並木のそばにあります。
ここは、いずれも大国主の御子を祀る御所市の高鴨神社、飛鳥の加夜奈留美神社
とともに、古代の大和を守ったそうです。
雨も小止みになってきた境内は割合広くて細長く、樫やけやきのような大樹が
沢山あります。
参道脇に、万葉歌碑があり、説明板もありました。
思はぬを思ふといはば 眞鳥住む卯名手(うなて)の社(もり)の
神し知らさむ。 万葉集・作者不詳
(あなたを想ってもいないのに、想っていると言っても、鷺の住む、
雲梯の杜の神には、わかってしまうだろうなあ)
鷺はいませんでしたが、拝殿の手前左には、木の柵で囲まれた榊がありました。
境内の東側は曽我川の舗装された土手道で、桜が雨に打たれながら
見事に咲いていました。土手にはニラの花、水仙、仏の座などが
雨に咲いています。
川は雨の増水で、土色に濁り、ときどき花びらが流れてきました。
並木の川濁して止みし花の雨 常朝
濡れそぼつフランシーヌの日の桜 常朝
(河俣神社)
(河俣神社拝殿)
(拝殿より本殿を望む)
(参道)
(万葉歌碑)
(歌碑の説明板)
(曽我川桜並木)
(土手のニラの花)
その後雨の殆ど止んだ頃、橿原観光ホテルでケーキなどをいただき、
今回は句会なし解散しました。
春の嵐の雨風に打たれる桜や三重塔、濁流の上の桜並木など、
めったに経験できない嵐の花見の1日でした。
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