2008年4月21日月曜日

59.奈良大宇陀・森野旧薬園と大蔵寺

「アカシア紀行・俳句」2008年4月18日(金)


 桜を散らす4月の雨の日、妻、妻の友人、義兄姉らと奈良・宇田市大宇陀町の
森野旧薬園にいきました。
場所は近鉄大阪線榛原駅の南約7キロ、166号線(370号線)の道の駅の北側、
前の橋を渡って北へ約50メートルほどの旧道筋です。
近くの「あきのの湯」で昼食後、車を道の駅に置いて薬園を訪ねました。

 森野薬園はもともと吉野葛作りの家でしたが、江戸時代将軍吉宗のころ、
11代当主森野賽郭(さいかく)が幕吏に随行して近畿一円から北陸地方を
調査して集めた薬草を自家の薬園に植えて始めたそうです。
昭和天皇が昭和26年にこられた時の写真も資料室にありました。
建物は大きな民家で、中に吉野葛などの売り場があり、
その奥に仕切りのある長さ10メートルほどの白い楕円形のプールと麹蓋
(こうじぶた:箱)などを積んだ葛の晒し場がありました。

 薬園は家の裏の急な斜面にあり、120種類ほどの薬草や樹木が植えられています。
ふもとには石水亭、頂上部には桃岳庵、知止荘などの建物が残っています。
桃岳庵の近くの賽郭祠堂には賽郭夫妻と忠僕佐平の像がありました。
もう片栗の花は大方しおれていました。
アミガサユリ(貝母)、イカリソウなど草花も多いですが、花の木(花楓)は
なかでも珍しい木です。遠くからは赤紫の、まるで春の紅葉のような木ですが
花は直径3ミリくらいの細長い花が数個ずつサンシュユ(山茱萸)の花のように
房状にかたまって枝先についています。

 その後同じ薬園が経営している「葛の館」で 「葛きり」をいただきました。
「葛の館」 は薬園の北西約1キロの370号線沿いにあります。
そして近くの松山城黒門(関門)を見学後、山つつじを見ようと370号線を
南に走り、大蔵寺に行きました。

 大蔵寺は南の山中にあり、宇陀370号線の道の駅の南約2キロの関戸峠の
さらに1キロほど南で右折れして約1キロ走り山道に車を置いて歩きました。
山の中の古いお寺で本堂のほか茅葺きの弁事堂や、独鈷蔵もあります。
落ち椿や山つつじが見事でした。
本堂のそばに脇之坊跡があり使われていないブランコがさびていました。
我々は近くの草原で蕨採りを楽しんでお寺を後にしました。

 
         薬草園忠僕像も花明かり        常朝

         葛晒す水槽白く春の雨         常朝

         脇之坊跡の崖(きりぎし)山つつじ   常朝


        (森野旧薬園本館)

        (雨中の薬園)

        (大蔵寺弁事堂・若楓と山つつじ)

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