「アカシア紀行・俳句」2011年8月31日(水)
台風12号が近づく8月最後の日、いつものメンバー6人で、
三重県・松阪市飯高町の奥香肌峡の蓮(はちす)ダムと蓮八滝を訪ねました。
蓮ダムは平成3年完成された、奥香肌峡にある東西3キロほどの人工湖ですが、
周囲には多くの美しい滝と渓流があります。
我々が奈良を出たときは晴れていましたが、車で166号線の県境の
高見トンネルに近づくと小雨になりました。
高見トンネルを抜けて約3キロを右折して、加杖坂峠を登りました。
頂上付近に200メートルほどのトンネルがあります。
トンネル入口右に小さな祠があったので小雨の中車を止めて拝見しました。
格子戸の中に石の地蔵様が祀ってあります。
案内板には 栃谷、青田地区の地蔵菩薩と導祖神とあります。
お供えの「おにぎり」はカビが生えていましたが、大事に祀られているようです。
右手にはトンネルができるまでの旧道の峠道がのぼっていきます。
トンネルの中に立つと寒い位の風がずっと吹いていました。
隧道の涼風受けて石地蔵 常朝
(加杖坂峠の石地蔵:クリックで拡大:以下すべて)
雨の中峠を東へ降りると蓮ダムが見えてきて、辻堂橋を渡り、
ダム湖西岸を南下、蓮川中間橋を左に見て、さらに進むと丸い案内板が
立っており、「清瀬の滝」がありました。
雨の中の木陰の滝で少し薄暗い感じですが、小さいながら風情のある滝です。
周囲の木には臭木に似た白い花が咲いていました。
降り止まぬ樹下暗かりき秋の滝 常朝
(清瀬の滝)
(清瀬の滝:案内板)
さらに進み、木の葉に隠れた「蓮の滝」を通り過ぎ、蓮橋をダム湖の
東岸へ渡り北上すると、郷関の滝、屏風の滝、胡蝶の滝、紅蓮の滝、
枯淡の滝、萌芽の滝と、優雅な名のついた小さいながら美しい滝が
あります。全部で8つあるので蓮八滝と呼ばれています。
雨の中でもあり、我々は最初の清瀬の滝と、枯淡の滝、萌芽の滝のみ
駐車して拝見しました。
枯淡の滝の手前の道端に大きな金網箱の猪罠がありました。
餌の糠が入口に置かれていました。
仕掛けの紐はないので、猪が箱に入っても入口の網板は降りないようです。
(猪罠)
その後、枯淡の滝ではイワタバコの花、露草、キンポウゲのような花を見ました。
萌芽の滝では、野菊とヒヨドリバナが咲いていました。
いずれの滝も水量は多くありませんが高さは10メートル位はあり、
岩肌もきれいで風情がありました。
滝水は数メートル流れるだけで湖に吸込まれていきます。
滝水の先はダム湖の静けさよ 常朝
(枯淡の滝)
(枯淡の滝の岩たばこ)
(萌芽の滝)
その後、ダムの下の道に入って、吊橋に乗り、ダムや霧の登る山を見ました。
近くにはレストランがないので、公園を探し、166号線入口の森公園の
四阿(あずまや)で、買ってきた弁当をいただきました。
デザートつきの豪華な(?)弁当昼食です。
ダム見上げ囲める山の霧見上ぐ 常朝
(ダム下の吊橋)
(霧に包まれる蓮ダム)
166号線を西へ戻り、高見峠に登りました。
三重県側から登りましたが道が長く険しく10分位かかった気がします。
峠の頂上は伊勢からの霧が吹き上げて、大和の方へ流れ体が押されるほどです。
登山口の鳥居や本居宣長の歌碑をみたあと、奈良側の峠道を166号線へ降りました。
こんな急な峠道を宣長も歩いたとは。
吹き上ぐる霧に押さるる峠かな 常朝
(高見峠の登山口)
(本居宣長歌碑の説明板)
その後針ICの針テラスに戻り、イタリアン・レストラン「メルカートロッソ」で
小句会後解散しました。
奈良では雨は止んでいました。
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