2013年3月8日金曜日

168.暗峠から枚岡神社


「アカシア紀行・俳句」2013年3月6日(水)            前へ  次へ

  3月啓蟄の頃の快晴の日、いつものメンバー6人で、
主に梅見を目的に奈良県生駒郡平群町の暗峠(くらがりとうげ)から、
東大阪市の枚岡(ひらおか)神社を訪ねました。

 第二阪奈有料道路の中山入口付近から9時半頃、国道308を西へ登り、
追分峠を越えて、南生駒駅東の「足湯」に立ち寄りました。

 足湯は生駒市が2006年に創設した保健施設「歓喜の湯」足湯で、
生駒市小瀬町の国道308沿いの老人ホーム「やすらぎの杜」のそばに
ある無料施設です。

 まだ10時前だったので、誰もきておらず、快晴ながら少し霞がかった
生駒山からまだ寒い風が吹いていました。
湯は36度とのことですが、足を浸けると40度位の感じです。
しばらくすると、ご夫婦らしい2組と女性のハイカーらしい2、3人が
きて、足湯に入りました。本を読む女性もいました。
梅の木はなく桜が2本まだ固い蕾をつけていました。

       足湯して望む生駒の朝霞      常朝

              (足湯:クリックで拡大:以後同じ)
              (足湯から生駒山)

 2、30分後我々は足湯を出て、308号を暗峠へ登りました。
この国道は奈良時代から大阪と奈良を結ぶ古道ですが、
今もやっと車1台が通れるほどの山道です。

 暗峠のトンネルの手前に車を置き、峠の石畳を歩きました。
梅の木は紅梅1本だけ、まだ固い蕾でした。
峠の家の前に赤土を干していました。
道で会った人に聞くと苗代用の土だそうです。
道端には犬ふぐりが咲き、土手に水仙の若芽が出ていましたが、
その下の土に水仙の球根が数個出ていました。
猪が掘ったのかもしれません。

 慈光寺まで歩いた組もありましたが、2、3人の女性の蓬摘みを
見たり、付近を散策後、トンネル奈良側のカフェ「有遊由」で
そばやうどんの昼食をいただきました。

       犬ふぐり頬にきりりと峠風     常朝

              (暗峠)   (前回の記事写真へ)
               (苗代の土)

 その後308号線を東大阪側へ降り、枚岡神社を訪ねました。
枚岡神社は、社記によると神武天皇ご即位の3年前に、
天児屋根命(あめのこやねのみこと)と比売御神(ひめかみ)を、
祀って創祀され、孝徳天皇の頃650年この地に移された、
河内一の宮とのことです。

 枚岡駅の東側の大きな鳥居をくぐった左手の駐車場に車を置き、
石段を登って本殿に参拝しました。
天児屋根命を祖神とする中臣氏と縁のある武甕槌命(たけみかづちのみこと)
のお供であった鹿の像「なで鹿」が境内にあります。
御手洗では鹿のくわえた巻物から春水が落ちていました。

 本殿の右に大きな鯉の泳ぐ池があり、
池からの水かげろうが社殿の壁にゆらいでいました。
その右の道を登ると、急に明るく開けた枚岡梅林です。
大阪平野を見下ろす斜面にあり、
数百本の種々の梅の木が花を開いていました。
梅林は公園のように整備され、所々の石の椅子には家族連れや
カップル、小グループがのんびりと梅見を楽しんでいました。
やっと来た春を喜ぶように男性がギターで古い歌を歌っていました。
神社へ戻る坂道の杜では、鳩の群が落葉を盛んについばんで
いました。啓蟄の虫などを探しているようでした。

       水かげろう社殿に揺らす春の鯉   常朝

       梅林の日差に心ゆるびけり     常朝

              (枚岡神社)
               (赤い蕾の木)
                (境内の紅梅)
              (枚岡梅林)
              (梅林の休憩所)

 その後、神社の案内地図に、神社の南500メートルほどにあると
記された中世領主の水走氏の屋敷跡を訪ねましたが、それらしい遺跡が
見つからず、マンションの近くに空地だけがありました。
少し山手に五輪塔があるようですが今回は訪ねませんでした。

 3時前第二阪奈有料道路から奈良へ戻り自宅で小句会を楽しみました。
久しぶりの快晴に恵まれた早春の一日でした。

0 件のコメント :