2015年3月22日日曜日

209. 御所市・高天彦神社から橋本院

「アカシア紀行・俳句」2015年3月19日(木)    前へ   次へ

 彼岸の入りの2日目、朝から本格的な雨の日、いつものメンバー6人で、
奈良県御所市の高天彦(たかまひこ)神社から橋本院を訪ねました。

 雨の中、葛城市の屋敷山公園駐車場で9時半集合し、山麓線(30号線)を
約8キロ南下、高天・橋本院の案内板のある角を右折、約1キロ登ると、
高天彦神社の駐車場です。(参照 アカシア紀行84

 高天彦神社は高皇産霊神(たかみむすびのかみ)、市杵島姫命(いちきしまひめ)、
菅原道真公を祀る、金剛山の麓の古式豊かな神社です。
遠くからでも本殿の赤い瓦が目に入ります。

 駐車場の南側に「鶯宿梅」(おうしゅくばい)の3分咲き以上の白梅の花が
雨に打たれていました。

 50メートル程の参道の両側には巨大な杉の木が並び、神社の周囲も
うっそうとした杉の老木で囲まれています。
幹から泡を流している巨木もあります。

 参道を登ると左手に手水があり、山の春水が勢い良く出っぱなしに
なっていました。

 境内の左手には拝殿兼の休憩所があり、木製の長椅子が置かれています。
我々は休憩所を基地として、傘をさして本殿を参拝、周囲を散策しました。
境内の外の細い道には石の福蛙が置かれ、碁石の目玉も雨に濡れていました。

 鳥居に向かって左の山道は郵便道と言われる金剛山登山道ですが、
2013年9月の台風18号で崩落し、通行できないようです。

       御手洗の春水はげし出っぱなし     常朝

       福蛙の目は黒碁石春の雨        常朝

               (高天彦神社:クリックで拡大:以後同じ)
               (鶯宿梅)
               (鶯宿梅説明板)
               (蛙石)
               (郵便道通行止め案内)
               (売店)

 その後御所駅の北の寿司店「夢宗庵」で昼食(柿の葉すし付の盛合せ)を
いただき、再び高天に戻って、橋本院を訪ねました。

 高天彦神社から北東へ約600メートル狭い道を走ると、棚田のやや下の
ほうに見えるのが橋本院です。

 橋本院は奈良時代行基によって建てられた高天寺の子院で、
南北朝時代、北朝方に焼き討ちされ、江戸時代真言宗の寺として再興され、
本尊の十一面観音像を祀っているようです。
黒い木造の山門を入ると右手に弘法大師像と護摩堂があります。

 境内の北側(左手)は広い庭園で蝋梅がやや白っぽくなっていました。
周囲の山には雨のせいでしょうか春の霧がゆっくり登っていきます。
南側は庫裏があり、前庭には池に枝を伸ばす山茱萸(さんしゅゆ)が満開
でした。 縁側からは雛壇が見えます。

 庭から南へ急峻な崖があり、コンクリートの護岸壁を見ていたら、
ご住職が出て来られて、右手の池に水芭蕉が咲く頃と教えてくれました。

 桜の大木が崖上の右手の庭にあったのが、数年前台風で根こそぎ
飛ばされて、崖下の砂防ダムに落ちたので、切って埋めたそうです。
6月頃は、蓮やあじさいが見られるそうです。


       縁側に雛壇見ゆる山の寺     常朝

       寺山をゆっくり登る春の霧    常朝

               (橋本院)       
               (弘法大師像と護摩堂)
               (庫裏の盆梅)
               (庭の蝋梅)

 やや小止みになった雨の中、しばらく境内を散策後、お寺を出ました。
なだらかな棚田と藪が雨にぬれる様子は、日本的な美しい風景でした。
その後橿原観光ホテルで小句会後解散しました。
朝から句会終了の3時半頃まではずっと雨でしたが、葛城の穏やかな風景を
楽しんだ一日でした。

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