2008年9月15日月曜日

70.奈良斑鳩・藤の木古墳から郡山城・お月見茶会

「アカシア紀行・俳句」2008年9月14日(日)


 9月中秋の名月の日、妻、義兄姉らと5人で奈良斑鳩・藤の木古墳から
郡山城跡でのお月見茶会に行きました。

 夕方5時頃、斑鳩の法隆寺の駐車場で集合し、西へ歩いて15分くらいの
藤の木古墳を訪ねました。
法隆寺は国道25号線沿いですがJRでは法隆寺駅から徒歩15分位です。
藤の木古墳は1985年に発掘された6世紀頃の円墳ですが、家型石棺に
渡来人系の見事な馬具など副葬品が出て有名になりました。
今回訪ねると昔円墳にあった木々はなく古墳公園のようにきれいに整備されて
いました。
直径50メートル高さ10メートル位のなだらかな円墳で、古墳の石室へは
入れませんが、中が一部見られるように通路が作られています。
表面は秋の草花で覆われ、ネコジャラシが風にゆれていました。
そばには復元の石棺が置かれて、すぐ横の田では稲穂が黄ばんでいました。

 その後大和郡山のレストラン「ベンケイ」で夕食後、郡山城に移動しました。
「ベンケイ」は今年5月10日、胡錦濤・中国国家主席が唐招提寺などを
訪問後昼食をとられたレストランで、郡山城の北西200メートルほどです。

 郡山城へは国道25号線の法隆寺東から県道9号線を6~7キロ北上します。
郡山城では東側の追手門に駐車し、7時半頃城跡の芝生に陣取りました。
芝生に毛布を敷き、和菓子と茶筅でたてたお抹茶をいただきました。
暗くなっていたので、周囲はほかに誰もいず、虫の声だけでした。
その虫の声のなかに鉦叩(かねたたき)のチン、チンという声がかすかに
聞こえました。
幸いにも空は半分くらいは晴れて、薄雲を透かして明るい満月が見えました。
近くには、明治時代の奈良図書館を移設した公民館があり、
山口誓子、森田許六の句碑が立っています。
城濠には月は勿論、星さえも映っていました。
我々だけが郡山城を借り切ってお月見をしたようで、最高のお月見茶会でした。

 その後斑鳩の法輪寺に行き、塀の外からですが、三重の塔にかかる
満月を見たあと、9時頃から斑鳩のレストラン「さと」で小句会後解散しました。
その頃は空は雲ひとつなく晴れて名月が煌々と輝いていまいた。



         虫すだくなかにたしかに鉦叩     常朝     
          
         薄雲の流れ透かして今日の月     常朝

         犬吠える月水煙に昇りきて      常朝   

        (藤の木古墳)

        (誓子の句碑:大和また新たなる国田を鋤けば)

        (許六句碑:菜の花の中に城あり郡山)

  (写真はすべてクリックすると拡大します)

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