「アカシア紀行・俳句」2008年9月5日(金)
9月初めの雨もようの日、妻、義兄姉らと伊勢神宮(内宮)から
おかげ横丁を訪ねました。
目的は伊勢参拝というより、赤福のかき氷でした。
近鉄の宇治山田駅からタクシーに合乗りして内宮前に着いたのは、
10時40分ころ、少し雨が降ったり止んだりの中を、五十鈴川の
宇治橋を渡り、参道を1キロ弱ゆっくり歩きました。
雨のせいか人はさほど多くなく、参道は広々として、松などの
樹木は青々としていました。
なにごとのおはしますかは知らねどもかたじけなさに涙こぼるる
(西行法師)
のような気持といえばややオーバーですが。
参道の鳥居は宇治橋の両側のほかに2つありましたが、いずれも伊勢神宮という
日本最大の神宮にしては質素で、かえって清清しい感じです。
宇治橋から2、300メートルの所に手水舎があり、その右手奥に
五十鈴川で手を清める場所がありますが川の水は雨で笹濁りでした。
砂利道を歩いていると、三光鳥が「ヒーツキホーシ」と鳴きました。
本殿である正宮へはみごとな青石の階段があり、左の神官詰め所には
一人の神官が人形のように動かず、端然と坐っていました。
正宮への門は萱葺きで苔が雨水に光っています。
周囲の板塀は何本もある杉の大樹にすれすれに建っていますが、
杉の生長で夜には板塀が軋むそうです。
神域案内図にある籾だね石は見つけることができませんでした。
20年毎の次の遷宮は2025年ですが、次の遷宮の地はすぐ西隣にあり、
金網などで囲まれていました。
宇治橋は遷宮に先立って今年末から再築されるそうです。
参拝後、おはらい町通り(旧参宮街道)の奥野屋で昼食後、
おかげ横丁の山口誓子俳句館を訪ね、赤福で「かき氷」をいただきました。
ここのかき氷は、勿論赤福の白玉もちと餡が入っており、
宇治茶と蜜がかけられて、おいしかったです。
平日というのにお店は若い人達でいっぱいでした。
のち、五十鈴川べりで鵜などを見ましたが、このまま帰るのも
もったいない感じだったので、海を見ようとタクシーで鳥羽港へいきました。
移動中雨が降り出したので、観光船乗り場で雨宿りをしていたら、
飛竜という観光船の船長のセールストークにまんまと載せられ、
貸切の観光船でイルカ島、答志島そばなど約1時間鳥羽湾をめぐりました。
途中、牡蠣(かき)筏やハマチ釣りの船、島の観音像などが見えました。
小雨の中、灯台は弱々しい光を出し、灰緑色の海をカモメが飛び、
牡蠣船が疾走していました。
牡蠣筏は牡蠣が成長した重みでやや沈み気味に浮かんでいましたが、
今は真珠の筏は伊勢湾には殆どなくなったようです。
鳥羽港に戻ると雨はほぼ上がっていました。
5時過ぎ、鳥羽からの近鉄特急の中で小句会をして解散しました。
正宮の苔を光らす秋の雨 常朝
笹濁り川鵜首出す五十鈴川 常朝
灯台の光弱めて秋の雨 常朝
(五十鈴川・御手洗場)
(伊勢神宮の正宮門)
(誓子俳句館)
(写真はすべてクリックすると拡大します)
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