2009年9月3日木曜日

91.奈良・柳生から曽爾高原

「アカシア紀行・俳句」2009年8月30日(土)

 8月も終わりの日、いつものメンバー7人で奈良・柳生から曽爾高原へ
吟行しました。

 9時名阪国道の針・道の駅で集合し、369号線を約3キロ南下し、
室生方面28号線へ左折、室生寺を過ぎて約500メートルほどの、
龍穴神社に立ち寄りました。

 龍穴神社は、うっそうとした杉林に囲まれたいかにも奥に竜神が
いるような神社です。
由緒略記によると、奈良時代末期の光仁天皇の頃、後の桓武天皇である
山部王の病気平癒を祈祷したとのことで、それ以上古い神社でしょう。
祭神は、高おかみ(雲かんむりの下に龍)の神で、
さらに天児屋根命(あめのこやねのみこと)など5神を祀っているようです。
神社の後方1.5キロ位の岩壁に、龍穴という洞穴がり、近くに天の岩戸や
雨乞いの滝もあるとのことですが、我々は登りませんでした。
 入口右には、根元近くでつながった、2本の杉の巨樹があり、
連理の杉として祀られていました。
また、入口の石垣下に冷たい湧き水が流れ出ていました。
本殿とも江戸時代に再建、移築された相当古色ゆたかなもので、
拝殿前の庭の両側には長い献灯台が建てられています。


        水神の谷の流れに秋の蜂        常朝

        龍神の湧き水受けて夏惜しむ      常朝

       (龍穴神社:写真はすべてクリックで拡大)
       (龍穴神社の連理の杉)


 その後、369号線の掛の信号を北に川を渡り、81号線を川沿いに
東に走り、案内板に沿って、屏風岩公苑に車で登りました。
屏風岩は海抜800メートル、高さ100メートルもあるかと思う、
大きな柱状節理の岩壁で、ふもとは公園になっています。
岩を見上げていると、色々な模様にも見えますが、
ピカソの絵にあるような尖った顔もありました。
ふもとは秋草が咲き、カメラマンが野鳥を狙っていて、
シメという珍しい小鳥の写真を見せてくれました。
モグラ塚や竹煮草の実もありました。

        屏風岩顔にも見えて天高し      常朝

       (屏風岩)


 81号線に戻り曽爾村の門僕(かどふさ)神社に参拝しました。
ここは曽爾村の鎮守の神様で、天児屋根命(あめのこやねのみこと)のほかに、
6神を祀っているようです。
道沿いの杉林にかこまれた神社で、拝殿は石段の上、巾3~4間の古い建物です。
道を隔てた曽爾川では数組の親子連れが水遊びや、魚すくいを楽しんでいました。


        産土神(うぶすな)の川に親子の鮴(ごり)すくふ  常朝

       (門僕神社の曽爾川)

       (曽爾ファームガーデン)


 その後、12時すぎ曽爾高原お亀の湯の近くのファームガーデン・すすきの館で
昼食をいただき、13時20分ころ曽爾高原駐車場に着きました。
 曽爾高原はススキの草原で有名ですが、8月末ではまだススキの穂は、
細くてまっすぐ空を向いていました。
高原の一本道を歩くとまさに花野、ゲンノショウコ、オミナエシ、フジバカマ、
ハギ、アザミ、ナデシコ、ヒメジオン、キンミズヒキ、ウツボグサ、クルマユリ、
ツリガネニンジン、シシウドなどが咲いて、お亀池の湿原には、サワギキョウが
濃い紫の花を咲かせています。
出口に近い道端のススキの根元にはナンバンギセル(思い草)が紫の
筒型の花をやや下向きにつけていました。
その後、81号、369号、28号線経由で針インターチェンジに戻り、
道の駅のレストランで小句会後、5時頃解散しました。


        ししうどの白き花火に天高し        常朝

        奥深く咲くは色濃き思い草         常朝

       (曽爾高原)

       (思い草:ナンバンギセル)

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