2014年5月11日日曜日

191.宇治田原町の茶畑、禅定寺から御栗栖神社

「アカシア紀行・俳句」2014年5月10日(土)     前へ   次へ 

 涼しい風の五月晴れの土曜日、いつものメンバー5人で、
宇治田原町の茶畑、禅定寺から御栗栖神社を訪ねました。

 茶畑は宇治田原町のあちこちにありますが、去年訪ねた
国道307号線沿いの宇治田原郵便局の北東の茶畑を
今回も訪ねました。

 郵便局の東800メートル位から左の山道を車で登り左、左と
Uターンのように約500メートル走って茶畑に着きました。
10時半頃、畑の道の木陰に駐車しました。
北西には変電所が見え、前後左右が茶畑の見晴らしのよい所です。

 まだ茶摘みの終わっていない畑の畝は、黒い寒冷紗で
覆われており、大半がまるで黒い山のようでした。

 去年来た時は、二番茶も終わり茶刈機で茶葉を刈り落としていましたが、
今回は、一番茶の刈り取りの時期のようです。

 木立の前を南へ進むと、左手の畝で夫婦2人が弓型の茶摘み機を、
左右に別れて持ち、後ろに2メートル程の長い袋をつけて、エンジンで
茶摘みをしていました。
1~2分で長さ10メートル程の茶の畝を刈り取っていきます。
その都度一杯になっていないのに袋を変えていました。

 茶の畝の中には夏ワラビが飛び出ている畝もあります。
土手にはワラビが沢山葉をつけていました。
茶畑の中には下に307号線道路が見える場所もあります。

 高い柱に取り付けられた防霜扇が、風に吹かれて回っていました。
しばらく茶畑の涼しい風に吹かれたあと、307号線に下り、
宇治田原中学校近くの「魚よし」で昼食をいただいたあと、
岩山の禅定寺を訪ねました。


       茶畑の風に波打つ寒冷紗     常朝

       茶畑の風に吹かれて鳥を聞く   常朝

             (茶畑:クリックで拡大:以後同じ)
             (茶摘機)

 禅定寺は宇治田原の北部にある曹洞宗の寺ですが、
平安時代に創建され、南北朝の頃という五輪の塔があります。
山門には大草鞋が立てられ、左手には宝物館があります。

 あいにく本尊の十一面観音像は、京都国立博物館に出開帳中との
ことでお寺は6月26日まで拝観中止でしたが、
庭仕事をされていたご住職にお庭だけでもとお願いして、
お庭を拝見させていただきました。

 そのうち大黒様(奥様)が庭に見えて、
本尊がお寺におられないのは寂しいとか、
5年前葺き替えた本堂は葭葺きで、25年毎に葺き替えが必要と
言われました。
本堂が大きいのは、禅修行の寺であったためとのことです。

 お寺の寺領も昔は禅定寺町全体だったが、戦後GHQの
農地改革で、ほとんどの土地を小作に開放し、
今は境内と裏山(府に寄贈)だけらしいです。
お寺の維持管理が大変なようでした。

 しかし見晴らしの良い境内には花々が植えられ、
雑草も見えないほど管理された庭に、若楓、ツツジ、百日紅、梅、桜、
などが植えられ、藁葺きの四阿(あずまや)も美しい苔が覆っていました。
寺紋にある竜胆の青葉が庭のあちこちに出ており、
弁天池には白いメダカが元気に泳いでいました。

 しばらく苔の四阿で休んだあと拝観料の代わりに少しばかり
お供えを預けてお寺を辞しました。


       本尊は留守の大寺若楓      常朝

       弁天の池に弾けり白目高     常朝

             (禅定寺山門:クリックで拡大:以後同じ)
             (拝観停止の掲示)
             (葭葺きの本堂)
              (弁天池)
             (あずまや:四阿)
                 (山門の大草鞋)
その後、307号線の小学校交差点を左折南下して、南地区の
御栗栖神社を訪ねました。

 周囲には田植中の田もあるかと期待しましたが、すべて植田でした。
余り苗が田の隅に置かれていましたが。
御栗栖神社は、天津彦根命ほかを祀る、鎌倉時代(以前?)からある
宇治田原南地区の旧郷社で、明治20年代までは毎年御所に栗を献上していた
そうです。
栗は壬申の乱のときの天武天皇ゆかりの栗だそうです。

 直径1メートル以上の大杉と大欅が神木となっている、うっそうとした
境内に本殿、拝殿、旧拝殿(絵馬堂?)、神輿蔵などがあります。
神木の前にも賽銭箱がありました。
旧拝殿には、明治の頃の相撲番付などが奉額として掛けられ、
燕よけか、梁の上に鴉の模型が置かれていました。


       老鶯鳴くお賽銭だけ忘るなと   常朝


             (御栗栖神社)
             (旧拝殿(?))
             (鴉の模型)
             (新茶:JA販売店で)

 307号線に戻り、すぐ左の農協販売店でそれぞれお茶を買い、
木津川市の梅谷口の青木ゴルフ場のそばの喫茶店杏樹(あんぜ)で
小句会後6時頃解散しました。

五月晴れの中、宇治田原の緑と風をのんびりと楽しんだ1日でした。

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