2015年2月13日金曜日

206. 奈良.河合町の広瀬大社「砂かけ祭」

「アカシア紀行・俳句」2015年2月11日(水)    前へ   次へ
 

 2月の寒い日が続いたあと、久しぶりに暖かな晴天にめぐまれた
建国記念日、いつものメンバー6人で、奈良・河合町の広瀬大社の
砂かけ祭を訪ねました。

 広瀬大社は去年花吹雪の日に訪ねましたが、大和川、飛鳥川、曽我川が
集まる水の要所にある、旧官幣大社として格式のある神社です。
(アカシア紀行189)(参照)

 砂かけ祭はお田植え祭で、砂を雨に見立てた祈雨の神事でもあり、
午前中の殿上の儀と午後の庭上の儀に分かれています。

 我々が10時前に神社の駐車場に着いたら、すでに数十台の車が、
臨時の駐車場とされた神社の隣の会社の駐車場にありました。

 300メートルもある長い参道の北側は数十の屋台が準備中でした。
また境内一面に厚さ5センチ位に砂が撒かれてあります。

              (広瀬大社:クリックで拡大:以後同じ)
         (拝殿)
              (砂かけ祭の場所)

 拝殿で参拝後、境内を散策していたら、殿上のお田植え祭に参列する
人々が、拝殿の左側に集まり、御手洗岩の水で手と口を清めて順番に拝殿にのぼりました。
御手洗岩では高校生らしい1人の巫女が杓を持ち、もう一人の巫女が
白い紙を持って、参列者一人ひとりに、手と口を清めるのを手伝いました。

              (手水を使う参列者)

 参列者約60人は拝殿にコの字型に座り、真ん中がお田植えの田とされます。
11時になると笙の音とともに、マイクで開式が宣言され、
お田植え祭が始まりました。

 宮司の祝詞やお祓い、巫女の舞のあと、田の農作業を模した儀式となり、
牛役と農夫役が拝殿の中央を巡って田を耕す仕草をしました。
消防団の若い人が、モオーと鳴く牛(牛役)に、「羊」と言って「メエー」、
「猫」と言って「ニャオー」と鳴かせたり、冗談を言って牛を笑わせたり
しました。その後2人の巫女の田植儀式がありました。

 殿上のお田植え祭が終わる頃は昼前になったので昼食のために、
神社の南側の寿司店「寿司の喜多八」に行きました。
店が混んでいたので予約して、外で待ちましたが1時間たっても席が空かないので、
あきらめて参道に戻り屋台のたこ焼きなどをいただきました。

              (たこ焼きの屋台)
              (屋台)

 午後2時、いわゆる砂かけ祭がはじまりました。
拝殿の前に竹(斎竹:いみだけ)で囲まれた10メートル四方位の土地を
田として、お田植え祭をおこないます。

 多勢の人々が囲む中、白覆面の人が出てきて、
周囲の田の畦をならすように木の鋤で砂を突き刺して一周したら、
いきなり、鋤で砂を見物客にかけ始めました。
見物客も若い人たちは、キャーキャーと騒ぎながら、
覆面男や他の人達に砂をかけ始めました。

 数分すると太鼓の音が聞こえ、砂かけは一旦中止となりましたが、
数分休憩すると再び覆面男が出てきて砂をかけ始めました。
このような掛け合いを8回繰り返すそうです。

 最初は覆面男は一人だったので、カメラマンが主役に集中して、
姿が見えないほどでしたが、3回目位からは、覆面男が3人になり、
斎竹の外側にも出てきて、我々が立っていた神馬堂や売店の方まで
砂を飛ばしたので、皆頭から砂を被りました。
幸いビニールの合羽を着ていたので、助かりましたが。

 砂の掛け合いが盛んなほど豊作といわれ、掛かる砂は厄除けに
なるそうです。

       牛の声猫にも変りお田植え祭   常朝

       逃げゐても砂の掛かりし春祭   常朝

              (砂かけ祭:覆面が砂かけ男)

 砂かけはまだ続いていましたが、我々は3時頃神社を辞して、
法隆寺東の「さと」で小句会後解散しました。

2月としては暖かい天気に恵まれ大和の珍しい祭を体験できた一日でした。

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