2016年5月14日土曜日

236. 桜井市・鹿路から聖林寺

「アカシア紀行・俳句」2016年5月12日(木)    前へ    次へ

  2、3日続いた五月雨がやんで快晴の初夏の日、 いつものメンバー5人で奈良・桜井市の
鹿路(ろくろ)にある野草園「鹿華苑」から天一神社、聖林寺などを訪ねました。(参照:アカシア紀行223

 10時前、桜井市37号線の八井内交差点・屋形橋の向かいの駐車場で集合し、
まず野草園「鹿華苑」を訪ねました。
昨秋訪ねたときは、花はトリカブト、紫苑くらいしかなかったですが、
今回は、まず美しい九輪草の群落が迎えてくれ、オオデマリ、コデマリ、かざぐるま、ケマンソウ、
シャクナゲ、フイリアマドコロ、エビネ、イカリソウ、カキツバタ、レンゲツツジ、モッコウバラなど、
さまざまな花が咲いていました。

 野草園には2つの四阿(あずまや)があり、それぞれに茶のポットと近くの観音寺の
尼さん自製のお菓子(夏みかん皮ピール)が用意されています。
案内の紙にはお菓子は熊本地震の支援に1袋300円とあったので、それぞれ数袋ずつ購入して、
一部を四阿でいただきました。

 園の上には、鹿華苑のオーナーの奥田さんの家がありますが、
ご主人が出てこられたので、色々お聞きしました。
20年前までは奈良高校の地学の教諭で、ご退職後この野草園を作ったそうです。
このあたりの山林、田畑の地主で、大きなお家も持山の木で作ったそうです。

 野草園は無料で開放されていますが、最近は雑誌などで紹介され、団体で見学が
あるようです。昨日と今日の午後はバスで40人の団体がくるそうです。

 お家の前の道を100メートルほど登った砂防ダムを見たあと、鹿華苑をあとにしました。

       湧水の濡らす岩肌かざぐるま       常朝

       小手毬に小虫来てゐる雨上がり    常朝

         (鹿華苑の入口:クリックで拡大:以下同じ)       
       (鹿華苑の九輪草)
        (カザグルマ)
        (ケマンソウ)
        (四阿に用意された茶菓)
        (砂防ダム)

 その後再び鹿路の天一神社を訪ねました。
赤垣で囲われた大きな神杉が青空にそびえて、五月雨が杉の葉に残した雨粒を
きらきらと光らせていました。
拝殿の横の土手にはいくつかの小さな百合がチゴユリのような花をつけています。
以前訪ねた木製ボールペンの工房は留守だったのですが、今回神社の上の家の奥様に
お声をかけて、工房で数本の木の枝を軸にしたボールペンを分けていただきました。

       五月雨の過ぎし神杉きらめけり       常朝

        (天一神社の神杉)       
       (ボールペンの森本木材)
        (鹿路の棚田)

 37号線を北へ戻り、薬師寺町交差点の「一語一笑」で昼食をいただいたあと、
1時半頃37号線浅古交叉点の南の聖林寺を訪ねました。

 聖林寺は、いただいた説明書によると奈良時代712年に談山妙楽寺(現談山神社)の別院として
藤原鎌足の長子・定慧が建てたとされる真言密教の寺で、国宝「十一面観音」で有名です。
お寺の駐車場(料金300円)に駐車し、入山料400円を納めて本堂に入り、大きな地蔵菩薩を
拝観、続いて階段を登って観音堂の国宝:十一面観音菩薩像を拝観しました。

 青葉の光が入るお堂のなかで、腰のややくびれて豊満な観音像は左手に花瓶を持って
鈍い金色の光を放っていました。 若い男女が床に頭をつけるほどに合掌していました。

 観音堂への階段で出会った東京から来たという女性が安倍文殊院に行くとのことで、
我々も車に女性を乗せて、少し北の文殊院に行きましたが時間の都合もあり、我々は入山せず
句会場とした天平庵(阿部交差点)に行きました。

       観音の玻璃戸に映る青葉かな   常朝

       青葉光観音菩薩の腰くびれ     常朝

        (聖林寺の参道)       
       (聖林寺本堂の扁額)
        (いただいた説明書より十一面観音の項)
        (聖林寺本堂からの眺め:右上の丸い山は三輪山)

 各地で今年最高の気温となった快晴の初夏の日、奈良南部の青葉の谷や古い寺院を
訪ねることができ、句会もゆっくり楽しんで4時頃現地解散しました。

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