「アカシア紀行・俳句」1998年1月4日(日)
年の初め、奈良県天理市の大和神社に参拝し、弓始を見学しました。
ここ大和神社は、崇神天皇の頃から祀られた、伊勢神宮や三輪の大神神社と
同じように古い神社で昔は国費による官幣大社だったそうです。
太平洋戦争の頃、戦艦大和には大和神社の分社が祀られていたといいます。
昼過ぎに来るとすでに神社の人々や氏子の人々が、拝殿の前に弓場を設営し、
大きな的を拝殿の左手に立てたりして式典の準備中で、参拝者も数十人
きていました。弓場の前(参道の方)では大きな焚火をしていました。
午後1時頃、直垂、烏帽子姿の射手が10人くらい、神主と共に拝殿に参拝し、
弓場にゆっくりそろって、弓始が始まりました。まず最初の5人が拝殿前に並び、
鏑矢(かぶらや)が射られ、ブーンというような音を立てて飛んだ後、
射手が一人ずつ弓を射た。弓の流儀は小笠原流というらしいです。
その儀式の途中、左手の神社の庭では鶏がうろいていました。
その後もこの弓始には何度か参拝しましたが、正月の空気の中で、気持ちの
引き締まるおごそかな儀式です。(あとの3句は2000年、2002年の句)
鏑矢の音低く飛ぶ弓始 常朝
鶏のうろつきをりぬ弓始 常朝
鬼の字を狙ひて放つ弓始 常朝
竹矢来形だけなる弓始 常朝
美女の射手的を外さず弓始 常朝
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